Research Abstract |
病院内の倫理委員会の審査,患者からのインフォームド・コンセントを得るために時間を要した。その後、東京都内の産科・小児科を対象として,(1)入院時の母親(鼻腔,手指より),(2)退院診察時の母親,新生児(鼻腔,手指,臍より),(3)1ヶ月健診を受診した母親(鼻腔,手指より),1ヶ月検診を受診した新生児(鼻腔,手指,臍より),(4)産科,小児科スタッフ(医師,助産婦,看護婦・士)全員(鼻腔,手指より,1週間間隔で),(5)環境(ナースステーション入り口取っ手,新生児室入り口取っ手,病室入り口取っ手,分娩台握り棒,沐浴漕などより,1週間隔で)からの検体を採取した.現在,MRSAを中心とした微生物の検出データから,(1)入院する母親の微生物保有率,(2)退院する母親,新生児の微生物保有率,新規感染率,(3)退院1ヶ月後における母親,新生児の微生物保有率,新規感染率,(4)スタッフの微生物保有率,(5)病院内環境における微生物の分布などの取りまとめを行っているところである.そして,以下の成果を得る予定である。(1)分娩前後の母親,退院時の新生児の微生物保有状況を把握し,周産期における感染状況を明確にする。(2)退院1ヶ月後の母子の微生物保有状況を把握し,家庭における母子の相互感染状況と微生物定着率を明確にする。(3)スタッフの微生物保有状況を把握し,微生物拡散予防対策の基礎的データとする.(4)病院内環境における微生物分布状況を把握し,微生物拡散予防対策の基礎的データとする。
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