1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の転倒の実態と身体特性との関連及びその予防に関する研究
Project/Area Number |
10480006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 芳照 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10143330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 義春 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (60251427)
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Keywords | 転倒 / 高齢者 / 骨折 / 健脚度 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
高齢者の転倒予防を目的とした健康診断と運動・生活指導の計8週間のプログラム(6日の直接指導)を構築し、東京厚生年金病院内で実践・継続した。その参加者150名についての身体特性及び運動・生活指導の効果と問題点を検討した。参加者の性別は、男性18名(12.7%)、女性131名(87.3%)であり、平均年齢は71.3歳(47〜89歳)であった。過去5年間の転倒体験を有する者74名(49.3%)、ない者76名(50.7%)であった。 教室入室時と修了時の健脚度((1)10m全力歩行(2)最大一歩幅(下肢長当たり)(3)40cm踏台昇降)は、それぞれ (1) 6.1±1.5 → 5.7±1.3秒^* (2) 右 1.26±0.19 → 1.33±0.19^* 左 1.26±0.19 →1.32±0.19^* (^*p <0.05) (3) 容易 : 98→103(+5)、 困難 : 42→38(-4)、 不可 : 10→9(-1) と、いずれも統計学的にも有意な改善がみられた。また、平衡機能の指標として用いた開眼単脚直立検査では、 右側起立 : 15.9±1.8 →17.0±10.9^*(+1.1) 左側起立 : 15.3±11.0 →16.3±11.2(+1.0) と支持足側起立の値が向上していた。 89歳男性の事例でも、過去5回の骨折を経験した82歳の女性でも適切な運動指導の働きかけにより、転倒回避能力としての健脚度等が改善することが示された。一方、外反母趾が全体の71.3%にみられ、靴等の履き物指導や「足の感性を磨く」ような具体的な運動・生活指導も重要と考えられた。さらに、修了以後の高齢者の身体活動の継続についての工夫・指導も必要と考えられた。
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Research Products
(2 results)