2000 Fiscal Year Annual Research Report
内陸活断層の詳細判読に基づく断層パラメータデータベースの構築
Project/Area Number |
10480014
|
Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
今泉 俊文 山梨大学, 教育人間科学部, 教授 (50117694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 浩之 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60284428)
宮内 崇裕 千葉大学, 理学部, 助教授 (00212241)
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 助教授 (30222409)
中田 高 広島大学, 文学部, 教授 (60089779)
隈元 崇 岡山大学, 理学部, 助教授 (60285096)
|
Keywords | 活断層 / 属性資料 / ブラウザー / 数値地図 / GIS / ベクトルデータ / データベース |
Research Abstract |
本年度の研究では,昨年度までに得られた活断層の線分データをクロスチェックすることによって,判読者の個人差をできるだけ避けるようにした.また,「確かな活断層」については,その活動度を評価するための属性データ(断層変位量,変位基準の年代,変位の向き等)を追加した.これらのデータ作成に当たっては,新たに縮尺2万分の1空中写真の判読を行った.こうしてクロスチェックされた断層図は,全て線分のベクトル化を行い,shpファイルとして保存した.また,判読された活断層図を基に,個々の断層間の距離と変位様式などを基準に,活断層帯としてグループ化した.これはいくつかの活断層のセグメンテーションのための基礎資料になる.さらに個々の断層線についても,従来の断層名に加え新たな活断層を認定した. このようにして得られた活断層の線分データと,それらの属性資料をテキスト化し,データベースのための準備作業を行った.テキストデータには,さらにトレンチ調査の情報やその文献を追加した. 一方,GIS化のために,これらの線分データとテキストデータを表示するブラウザーの開発を行った.このための背景図(基図)として,ラスター型の数値地図とベクトル型の数値図を相互に比較し,ブラウザーとのマッチングを試みた.その結果,パソコン上でのユーザーの操作性を考慮して,ベクトル形式の数値地図を基図とした.また,既存のGISソフト(Arcview)を用いて,活断層の活動度別や活動様式別に比較検討した. 以上の諸作業に基づいて試作された活断層GIS情報の成果を,日本地理学会春季学術大会(2000年3月),北淡活断層シンポジウム(2001年1月),の各学会において発表した. なお,本研究の成果は,ソフトの開発を待って出版する予定である.
|
-
[Publications] 池田安隆,今泉俊文,中田高 ほか: "21世紀における活断層研究の展望"月刊地球. 号外31. 190-209 (2000)
-
[Publications] 堤浩之,隈元崇,奥村晃史,中田高: "鳥取県西部地震震源域の活断層"月刊地球. 号外31. 69-76 (2000)
-
[Publications] 今泉俊文: "数値地図を基図とした活断層図の作成"山梨大学研究紀要. 1・2. 127-131 (2000)
-
[Publications] 200万分の1活断層図編纂ワーキンググループ: "「200万分の1日本列島活断層図」-過去数十万年間の断層活動の特徴-"活断層研究. 19. 3-12 (2000)
-
[Publications] Kumamoto,T.: "Comparison of estimated maximum earthquake magnitude/intensity in inland Japan using JMA seismicity catalogue, historical earthquake records and active fault data"Geographical Report of Tokyo Metropolitan University. 35. 71-82 (2000)
-
[Publications] 渡辺満久,太田陽子,鈴木郁夫 ほか: "越後平野西緑,鳥越断層の完新世における活動度と最新活動時期."地震. 第2輯.53.. 153-164 (2000)