2000 Fiscal Year Annual Research Report
基礎的知識・能力の定着と科学・技術の発展を目指す新しい理科教育課程の開発研究
Project/Area Number |
10480027
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
川上 昭吾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10033896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 正賢 広島大学, 高等教育開発センター, 教授 (80143139)
橋本 健夫 長崎大学, 教育学部, 教授 副学長 (00112368)
遠西 昭寿 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20135396)
野上 智行 神戸大学, 学長 (80127688)
大高 泉 筑波大学, 教育学系, 教授 (70176907)
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Keywords | 理科の教育課程 / アンケート調査 / 教育課程の構成原理 / 教育課程の構成要素 |
Research Abstract |
1 理科の教育課程を考えるに当たり検討すべき諸条件を整理した。 (1)わが国は科学・技術立国を維持していくためには理科重視策が必要である。社会においては,例えば日本経済同友会は「創造的科学技術開発を担う人材育成」を要請しており,それに対応していかなければならない。(2)欧米のみならずアジアの諸国も理科教育重視の政策を採っている。(3)現代社会における科学の役割を評価発展させる科学論が必要である。(4)技術教育,情報教育,環境教育との関わりをいかに持っていくべきか。(5)国際数学・理科教育調査の成績が下降気味であること,科学的に判断したり,物事を多面的に考えていくことが苦手であるという結果への対処をしなければならない。(6)「理科離れ」,「学力低下」への対応は図らなければならない。 2 目標観に関わって,理科教育は,人間形成,感性育成,科学に対する興味・関心,知識・理解,技能,能力・態度の育成のために必須であるが,(1)国民の教養としての理科教育の基礎基本,(2)科学技術者養成のための理科教育の基礎基本を何とするかを検討した。 3 子ども観に関わって,「理科離れ」対策と子どもの学びのプロセス研究の成果を教育課程に組み入れて検討した。 4 指導の実態に関わって,問題解決的な学習過程に合致する内容を整理した。 5 学習指導要領の内容を全教科担任制の小学校教員はどのように考えるのが,教科担任制の中学校教員が実現できる教育課程なのか,高校で実現できる教育課程なのかと教育課程の評価を学校種毎に行った。 6 大学の理科系の教員に対してアンケート調査を行い,基礎的な学力向上を目指すべきとする意見が多かった。 7 小,中,高校の教員にアンケート調査を行い,基礎基本について意見を集約した。 8 新聞の科学に関する記事の内容を分析し,理科教科書とに多少ズレがあることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 寺田安孝,川上昭吾: "シンガポールにおける理科の授業構成の特徴と課題"理科の教育. 50(3). 164-167 (2001)
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[Publications] 森本信也: "「対話」としての学習を志向した理科授業の事例的研究"理科教育学研究. Vol.40,No.1. 45-56 (2000)
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[Publications] 大高泉: "科学教育における近代科学の基本的自然観の再生産-ドイツ範例的教授過程における「自然の数学化可能性」観の伝達とその意味-"理科教育学研究. Vol.41,No.1. 13-24 (2000)
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[Publications] 磯崎哲夫: "19世紀のイギリスにおける科学教育論議-「なぜ科学を教えるのか」につい-"理科教育学研究. Vol.40(2). 13-26 (1999)
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[Publications] Kawakami,S.,S.Kadoya,M.Schiling,C.Mason,and M.Ishi: "Thinking on nature and science of upper grades students in the elementary school - from the results of survey to the students of Japan, the United Kingdom and United States of America"Bul.Aichi Univ. of Educ. (Educ.Sci.). 48(Educ.Si.). 139-144 (1999)
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[Publications] 戸北凱惟,荻原彰: "80年代後半以降のアメリカの初等・中等教育に見られる環境リテラシーの研究-知的領域を中心として-"科学教育研究. Vol.23,No.5. 365-372 (1999)
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[Publications] HORI TETSUO: "The Organization of Teaching Contents and Development of Assessing Approaches for Training Students' Abilities in Problem Solving"Proceedings of THE FIRST SEMINAR ON SCIENCE AND TECHNOLOGY : Science Education, Tokyo, JAPAN. 125-131 (1999)
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[Publications] Ogawa,M: "Under the Noble Flag of 'Developing Scientific and Technological Literacy'"Studies in Science Education. Vol.31. 102-111 (1998)
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[Publications] Kawakami,S.(ed.): "Reports of The International Symposium on Science Education at Aichi University of Education JAPAN 1999"Aichi University of Education. 201 (2000)