1998 Fiscal Year Annual Research Report
定住型外国人を対象にした“地域共通語"教材開発に関する研究
Project/Area Number |
10480048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高木 裕子 山形大学, 教育学部, 助教授 (80241165)
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Keywords | 地域共通語 / 山形県 / 定住型外国人 / 実態調査 / 教材開発 / 方言 / 日本語教育 |
Research Abstract |
本研究は、地域共通語の教材を開発することを目的に、山形県を取り上げ1.地域共通語の実態を明らかにし、2.定住型外国人にとって必要な地域共通語を明示し、3.適切な指導を可能にする定住型外国人にとっての地域共通語教材を開発することであった。平成10年度は、(1)山形県居住の日本人に対して、地域共通語に関する調査を行う、(2)定住型外国人にとって問題となる地域共通語また学習の必要性のある地域共通語を明らかにするため、調査票を使った調査と聞き取り調査を行う、という目的から実施した。調査手順は、先行研究より導き出された地域共通語を基礎に、まずそれらを山形県4地域(新庄市・鶴岡市・米沢市・山形市)居住の日本人インフォーマントに地域での適切な言い方に換えてもらう。この作業を通じ研究の当りをつけるとともに、地域共通語に関して4地域ごとの違い(=地域性)をみた。また、方言とは呼べないものを抽出した。その上で、本結果から4地域共通の地域共通語に関する調査票を作成した。尚、地域によっては必ずしも共通の調査票では明らかにできない項目もあったため、それらについては4地域ごとに作成した調査票に地域性のある調査項目として加えることで対処した。調査の実施は、個人情報の開示が厳しいため、“調査協力者"を通じ、その人を介して先の調査票を配布してもらい、結果は郵送で回収する方法に切り替えた(この他、調査方法には一部変更がある)。結果はパソコン解析中であるが、先の聞き取り調査でも4地域ごとの地域共通語についてはある程度傾向が掴めている。しかし、現在山形県には多様な方言形態が存在し、地域共通語とは言え、“新方言"や“気づかれない方言"等はどう扱っていくのか、山形県の地域共通語を定住型外国人が多い4市に限定した場合でも、そこでの地域共通語をどのように切り取っていくのか等は今後の検討課題でもある.
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