2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本語学習者と日本語母語話者の談話能力発達過程の研究-文章・音声の母語別比較-
Project/Area Number |
10480049
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
水谷 信子 明海大学, 外国語学部, 教授 (90190644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 良 秀明大学, 国際協力学部, 講師 (30306443)
佐々木 泰子 お茶の水女子大学, 留学生センター, 助教授 (20251689)
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Keywords | 対話型 / 聞き手働きかけ発話 / 共感 / 説得 / あいづち / 話段 / 自己用 / 親愛関係 |
Research Abstract |
日本人同士の相談場面と接触場面における相談場面を比較した結果、以下のことが明らかになった。 1.学習者発話が対話型の言い切り発話から、聞き手に会話への参加を誘いかける「聞き手働きかけ」の多い母語話者型の発話に近づく。 2.意見交渉の談話で感じられる違和感を,コミュニケーション原理の違いとして示すことを試みた結果、談話を支配するコミュニケーション原理は、学習者の日本語の運用能力が上がるほど,母語話者との違いが鮮明になる。 3.学習者は、「提案要求」に即答し相手の「提案」にも明確に応答するが、日本人は、相手の「提案要求」や「提案」に対して即答を避ける傾向がある。 4.日本人同士の場面では両者の情報提供で話段が構成されるが、接触場面においては母語話者の質問に学習者が答えるというインタビュー・スタイルが観察される。 5.日本人は交渉の場面において理解・共感型のあいづちの使用によって融和的な交渉を進めるが、対日歴の浅い学習者にはその種のあいづちの使用が少ない。 6.日本人同士の意見交換の談話を分析した結果、反対意見表明は非優先的位置でなされること、「自己引用」の形式(「...かなって」)で反対意見を述べること、などの傾向が見られ、距離感を持って意見を述べ、親愛関係を築こうとする様子が窺えた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大塚 純子: "日本語学習者の聞き手への働きかけ発話の変化"明海大学別科10周年記念論集. 42-51 (2001)
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[Publications] 藤井 桂子: "学習者の滞日中における「聞き手発話」の変化"横浜国立大学留学生センター 紀要. 8. 79-91 (2001)
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[Publications] 木山 三佳: "話し合い場面での日本語学習者と母語話者の談話の比較"山村女子短期大学紀要. 13. (2001)
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[Publications] 棚橋 明美: "接触場面における会話のリズム分析"Quality Japanese Studies and Japanese Education Kanji-Using Areas in the New Century. 360-369 (2002)
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[Publications] 川口 良: "日本語母語話者と日本語非母語話者の相談場面における会話の分析"秀明大学国際研究学会『国際研究論集』. 13-14. 1-18 (2002)