2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480071
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20252489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 俊和 立命館大学, 理工学部, 助教授 (00273483)
八槙 博史 京都大学, 情報学研究科, 助手 (10322166)
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Keywords | 市場モデル / QoS Market / エッジワース過程 / 非模索過程 / 移動エージェント |
Research Abstract |
本年度は前年度にひきつづき,これまで構成してきた市場モデルにもとづいて,イントラネット大のネットワーク制御を目的とするシステムQoS Marketを対象として,主に計算機構の面からの検討を行った. 本システムを構成するにあたって,従来構成してきた模索過程にもとづくアプローチでは限界があった.模索過程においては競争均衡の算出に至るまでに一定の時間を要するが,特に本研究で扱う領域においてはその間の環境変化が大きく,たとえ均衡解を精密に求めたとしても,得られた結果は現状を反映しないものとなってしまうことがある.これに対処するため,計算を一定の時間内でうちきり,環境へと追従していくことが考えられる.模索過程では一般に途中解が実行可能ではなく,何らかの調整を行うことで別途解の実行可能性を保証する必要があった. 本研究では,模索過程に代わるパレート最適な資源割当ての決定機構として非模索過程のひとつであるエッジワース過程を導入した.エッジワース過程は等価交換を基礎とする非模索過程の一つであり,途中解の実行可能性,パレート効率的な解への到達など,望ましい性質をもつ.本研究では,その有効性の実証,および取引ルールの差異によるパフォーマンスの比較を,シミュレーションを通じて行った. また,ユーザーのアプリケーションへの選好という個人情報を流出させずに,実用的な時間で最適な資源割当てを計算するため,移動エージェント方式を採用した.これによって資源割当ての決定に必要な競売人とエージェントの間の大量のメッセージ交換の遅延を最小化し,かつエージェントを移動エージェントとして実装することにより,ユーザーの個人情報も保護される.エージェントを利用した実装による資源割当ての決定の遅延を計測することによって,方式の有用性を示した.
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[Publications] 八槙博史 他: "分散市場モデルの異動エージェントによる実装"情報処理学会論文誌. Vol.42,No.2. 252-259 (2001)
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[Publications] Hirofumi Yamaki 他: "Market-Based Network Resource Allocation with Non-Tatonnement Process"Pacific Rim International Workshop on Multi-Agents. 143-155 (2000)