2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本語意味辞書を用いた名詞句の意味的構造解析技術の研究
Project/Area Number |
10480073
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池原 悟 鳥取大学, 工学部, 教授 (70283968)
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Keywords | 日本語意味辞書 / 名詞句解析 / 名詞訳語選択 / 抽象名詞 / 形式名詞 |
Research Abstract |
本研究では、日本語表現に使用された「名詞」の意味決定の問題に挑戦する。従来の研究では、要素合成法の立場から、表現の意味と表現の構造を分離し、別々に扱うのが普通であった。しかし、名詞の意味を決定するには、名詞の辞書的な意味とそれが使用された表現構造の知識を組み合わせた処理方式が必要と考えられる。そこで、本研究では、実際に使用された表現の構造に着目して、名詞間の意味的関係をパターン化することにより、表現構造の持つ情報の活用を図った。 本年度は,昨年度までに検討を行った「AのBのC」の型の名詞句の係り受け解析規則の自動生成法につて論文にとりまとめた,形式名詞「の」を含む名詞句の意味解析については,ほかの抽象名詞「もの」,「こと」,「ところ」,「とき」などへ交替可能な場合が多いことに注目して,新しい翻訳方式を提案すると共に,自己組織化を使用した交替現象の解析方式を提案し,いずれも研究会論文としてまとめた。 また,数量を表す名詞句,時間と空間を表す名詞句のそれぞれについても,日本語と英語の認識の違い着目した翻訳方式の検討を行い,翻訳規則をまとめると共に,シミュレーション実験によってその翻訳精度を推定した。 なお,昨年度までに実施した研究のうち,結合価パターンに使用される単語意味属性を名詞の訳語選択に適用する方法の検討結果については,実験結果を取り纏め,学会誌論文として投稿した。
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[Publications] 池原悟: "自然言語処理における意味解析技術の現状"電子情報通信学会北陸支部講演会. 1-16 (2000)
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[Publications] 池原悟: "多義解消のための構造規則の生成方法と日本名詞句への適用"自然言語処理論文誌. Vol6,No.1. 143-174 (2001)
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[Publications] 車井登: "自己組織化マップを用いた抽象名詞「の」の解析の一考察"日本ファジー学会第12回ファジー・コンピューティング研究部会. 1-6 (2000)
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[Publications] 延原由高: "接頭接尾辞を含む数量表現の翻訳方法"情報処理学会自然言語処理研究会. (2001)
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[Publications] 的場和幸: "日英時間表現の意味と対応関係の解析"平成12年度自然言語処理学会年次大会. (2001)
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[Publications] 廣瀬文男: "日本語の位置的関係表現の意味的対応関係"平成12年度自然言語処理学会年次大会. (2001)