2000 Fiscal Year Annual Research Report
可視分光によるプラズマ中の水素負イオン及び正・負イオン相互中性化過程の測定
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10480107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門田 清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60093019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50235248)
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Keywords | ヘリコン波放電 / 高密度水素プラズマ / 水素負イオン測定 / 相互中性化反応 / 飛行時間型質量分析 / レーザー光脱離法 / 水素プラズマのイオン組成 / ダイバータプラズマ |
Research Abstract |
本研究は、磁場閉じ込め核融合プラズマ装置の加熱用ビーム源及びダイバータ領域で重要な役割を演じる水素負イオンを測定するための新しい簡便な方法を開発し、併せてイオン束によるダイバータ板への熱フラックスを軽減させる正・負水素イオンの相互中性化反応に関する基礎データを提供する。プラズマ中の水素負イオンH^-を測定する原理は、負イオンH^-と正イオンH^+が相互中性化反応を起こすと励起状態の水素原子H^*が生成され、そのH^*からの可視域発光スペクトル強度を測定することにより、H^-密度及び相互中性化過程の反応レートを評価する。 最終の本年度は、先ずマイクロ波干渉計を用いて水素プラズマの電子密度を測定し、レーザー光脱離法でH^-密度を求めた。両者の密度と準中性条件から正イオン密度を得て、これまでの質量分析結果と合わせてH^+密度を評価した。正イオン中のH^+の組成比は電子密度n_eと共に増し、n_e〜6x10^<11>cm^<-3>で約30%であった。なお、反応前後のエネルギー収支による考察から分子状正イオンH_2^+及びH_3^+とH^-との相互中性化による発光は無視できる。負イオンに関しては、原子状のH^-のみがアフターグローにおいて効率よく生成され、アフターグローの20μs近傍でピーク値を持ち、その密度は電子密度と共に増加した。以上のことから、高密度プラズマ程、相互中性化反応による発光が強くなることが分かる。可視分光法により、アフターグローで相互中性化反応によるH_α、H_β、H_γの発光が検出されたが、H_α発光が最も強く、水素負イオン計測に適していることが分かった。これらの結果に基づくH^+密度とH^-密度の積及びH_α発光強度のアフターグローにおける時間的変化がよく一致することから、水素負イオン計測と相互中性化レートの評価への応用の可能性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Sasaki,M.Nakamoto,and K.Kadota: "A measurement method of absolute hydrogen atom density in plasmas by (2+1)-photon laser-induced fluorescence spectroscopy"to be published in Rev.Sci.Instrum..
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[Publications] M.Nakamoto,K.Sasaki,and K.Kadota: "Spatial distribution of H atom density in high-density, helicon-wave H_2 plasmas measured by laser-induced fluorescence"to be published in Jpn.J.Appl.Phys..