1998 Fiscal Year Annual Research Report
トレーサー内蔵ペレットを用いたプラズマ粒子輸送の新高精度計測
Project/Area Number |
10480109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
須藤 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50142302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 哲 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50183033)
近藤 克己 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (30026314)
松岡 啓介 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (70023736)
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Keywords | 粒子輸送 / トレーサー内蔵ペレット / 局所粒子輸送係数 / リチウム荷電交換再結合光 / ペレット溶発光 |
Research Abstract |
粒子輸送の研究を進めるためにトレーサー内蔵ペレットの方式を提案し、この原理検証のため、CHSヘリカル装置においてトレーサー内蔵固体ペレット(TESPEL)を入射する実験を行った。TFCPELでは外殻が水素同位体でできており、内側コアが低Z材であるのに対して、TFSPELは外殻がポリスチレン(炭素と水素のみの重合体)で、内側コアがLiHである。従って、TESPELは室温で扱えるので、射出装置が簡単になりCHSのような中型装置で実験するのに向いている。典型的なTESPELではポリスチレン球殻の直径が300μm、厚さは50μmである。LiHのブロックは約50μm直径相当であるが、形状は必ずしも球形ではない。ペレットは10気圧程度の高圧ヘリウムガスで加速し、典型的なペレットの速さは300m/sである。CHSのターゲットプラズマは1MW程度のNBIで加熱される。このNBIは同時に荷電交換再結合分光(CXRS)観測のための中性ビーム源としても利用される。ペレットからの溶発中の光は光学系で集光され、ハーフミラーによって分割されたあと、フィルターを通して光電子増倍管で検出される。さらに、2台のCCDカメラでLiII(あるいはLiI)などの像を観測するようになっている。CCDカメラの画像によると、ペレットはプラズマ中心部まで到達し、LiIの強い発光領域は奥行き30mm程度内に局所的に観測される。光電子増倍管でのHαの信号は約500μs続き、その後LiIIが約50μsの間発光する。これらの結果からトレーサー粒子が局所的にデポジットされたことがわかる。LiIIICXRS光の発光強度は十分なものであることがわかった。LiIIICXRS光のピークに達する時間差δtと既知の検出器間の距離から、拡散係数を算出し、温度依存性などを見いだした。上記のようにTESPELを用いて粒子輸送の研究のための新しい計測方式が世界で初めて実験的に実施された。このCHSでの初期実験結果は局所粒子輸送の研究に有用な方法であることを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 須藤 滋,K.Khlopenkov等: "Particle Transport Study with Traccr-Encapsulated Solid Pellet Injection" Proc.17th IAEA Fusion Energy Conferunce. IAEA-CN69 EXP1/18. 1-4 (1998)
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[Publications] K.Khlopenkov,須藤 滋: "Production and acceleration of tracer encapsulated solid pellets for particle transport diagnostics" Review of Science Instruments. 69巻9号. 3194-3198 (1998)