1998 Fiscal Year Annual Research Report
ホスウィッチ型検出器による高エネルギー放射線場における粒子弁別スペクトロスコピー
Project/Area Number |
10480113
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 尚司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (70026029)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 真志 放射線医学総合研究所, 第3研究グループ, 研究員 (50291109)
馬場 護 東北大学, 工学部, 助教授 (20005466)
山寺 亮 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助教授 (90004465)
|
Keywords | 粒子弁別 / 中性子スペクトル / ホスウィッチ検出器 / 応答関数 / 放射線混在場 / 高エネルギー加速器 |
Research Abstract |
今年度は、荷電粒子と中性子との事象を識別して測定することができ、かつ、高エネルギー(数MeV〜約110MeV)の中性子を測定することが可能な中性子検出器を作成し、その粒子弁別特性を調べた。作製した検出器は、中性子のエネルギーを測定する有機液体シンチレータ部分(NE213,130mm長,130mm径)を、荷電粒子と中性子を弁別するためのプラスチックシンチレータ部分(NE115,15mm厚)が全面を覆い囲んだホスウィッチ型である。 本検出器の粒子弁別の性能を、放射線医学総合研究所のサイクロトロンで、陽子70MeVを厚さ2mmのベリリウムに入射し、そこで生成された中性子と弾性散乱された陽子を検出器に入射し、また、同研究所のHIMAC(高エネルギー重粒子加速器)で、炭素100MeV/nを炭素材、アルミ材(それぞれ、粒子が完全に止まる厚さ)に入射し、生成された2次粒子(γ線、中性子、陽子など)を検出器に入射してγ線、中性子による事象と陽子などの荷電粒子が弁別できることを実験的に評価した。 次に理研のリングサイクロトロンで陽子135MeVをベリリウムと炭素の組み合わせ(入射粒子は完全に止まる)に入射させ、0〜約120MeVの連続的エネルギー分布を持つ中性子を発生させ、それを用いてTOF法により本検出器の中性子に対する応答特性を実験的に求めた。現在実験結果を解析しており、今後この応答関数を用いて、高エネルギー中性子スペクトルの導出を行っていく予定である。
|
Research Products
(1 results)