2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝村 庸介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 裕美 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (30216014)
渡部 貴宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90282582)
上坂 充 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30232739)
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Keywords | 地層処分 / 放射線分析 / 地下水 / 炭酸水溶液 / 炭酸ラジカル / パルスラジオリシス / レーザーフォトリシス |
Research Abstract |
高レベル廃棄物の地層処分の健全性を考える上で地下水の放射線効果の整理は重要である。オーバーパックが腐食し、地下水が廃棄物に接する場合には廃棄物による地下水の放射線分解が引き起こされ、地下水の化学環境が放射線分解生成物により変化を受け、放射性核種の溶出や移動に深く関わるからである。 本研究では、地下水に共通して溶解する炭酸(水素)水溶液の放射線分解をギ酸、シュウ酸、過酸化水素の生成収量評価実験、海水型の地下水での放射線照射による塩素イオンの酸化還元反応を理解するため各種塩素オキソ酸の反応を検討した。また、放射線源としてγ線照射、電子線を駆使するだけでなく、高レベル廃棄物に含まれるであろうアクノイドなどのα放出核によるα線照射の特徴を明らかにするため、放射線医学総合研究所の重イオン加速器HIMACを用いたH^+,He^<2+>イオンのパルスラジオリシス照射実験も実施した。このイオンパルスラジオリシスは現在世界で二カ所しか実施されていない、貴重な実験となった。さらに、平行して、今後は計算機を用いてシミュレーションにより予測することが重要だと考え、シミュレーションが実施できるよう、各種反応の反応速度定数をこれまでの報告を使いデータベースを構築すべく整備を進めた。重要な反応にもかかわらず報告のない数値については可能であれば実測をすすめ、地層処分の放射線効果の検討のための体系的整備を行った。これらの成果は、学術論文に論文として刊行するだけではなく、今後の進展のために最終年度の成果報告書にデータベースとしてまてめておいた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Katsumura et al.: "Ion Beam Pulse Radiolysis Study of Intratrack Reactions in Aqueous Solutions"Radiation Research. 2. 49-52 (2000)
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[Publications] G.Wu,Y.Katsumura and G.Chu: "Formation and Behavior of SO_4 in Near Organic Solvents"Physical Chemistry and Chemical Physics. 2. 5602-5605 (2000)
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[Publications] Y.Katsumura: "Ion Beam Pulse Radiolysis Study on Intra-Track Reactions in Aqueous Solutions"Research on Chemical Intermediated. (in press).
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[Publications] H.Kudoh and Y.Katsumra: "Ion Beam Radiation Chemistry"Radiation Chemistry : Present Status and Future Trends. (in press).