2000 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴中性子領域におけるアクチニド核データに関する実験的研究
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10480119
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| Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
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Principal Investigator |
小林 捷平 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80027466)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三頭 聡明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30005938)
山名 元 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (30283683)
森山 裕丈 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90127150)
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| Keywords | 鉛スペクトロメータ / 共鳴中性子領域 / Th-229核分裂断面積 / Th-230核分裂断面積 / Np-237中性子捕獲断面積 / 飛行時間分析法 / ENDF / B-VI / JENDL-3.2 |
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| Research Abstract |
本年度は、京都大学原子炉実験所に付設されている46MeVの電子線型加速器(ライナック)を用い、(1)これと組み合わせた鉛スペクトロメータ(KULS:一辺が1.5mの立方体、総重量約40トン、鉛の純度:99.9%)、及び(2)ライナックを用いた12m飛行時間(TOF)分析法によって、共鳴領域のアクチニド核データを測定し、従来の実験値、評価値に対して実験的に評価検討を加えた。
まず、前者では、実験試料となるTh-229,Th-230電着膜と標準断面積試料となるU-235の電着膜を用意し、各試料のα線スペクトル測定を行い、その計数率、検出効率及び半減期データからそれぞれの原子個数を算出した。次に、Th-229またはTh-230とU-235電着膜を背中合わせ型の核分裂電離箱(BTB)に封入し、これをKULS内のビスマス層で囲まれた実験孔に挿入して実験を行った。試料に入射する中性子束/スペクトルは、^<235>U(n,f)反応断面積によって測定し、^<229,230>Th(n,f)反応断面積の絶対値を求めることができる。共鳴エネルギー領域では、従来、これら両核分裂反応断面積とも殆んど測定データが存在していなかった。計価済核データについても実験データが不足しているため、十分な評価結果が得られていない。本研究によって提供できた核データは、今後の評価作業や核計算にとって役立つものと期待される。
次に、12m飛行路を用いたTOF実験によって、^<237>Np(n,γ)^<238>Np反応断面積を測定した。この場合は、Np-237試料の両側に中性子ビームを挟む配置で一対のC_6D_6シンチレータをセットし、Np-237の中性子補獲ガンマ線測定を行う方法によった。Np-237試料における中性子自己遮蔽効果は、MCNPモンテカルロコードを用いた計算によって補正した。入射中性子束/スペクトルは、Np-237試料に代わってセットしたB-10試料を使い、^<10>B(n,α)反応断面積を用いて測定し、得られた補獲断面積の相対測定値を熱中性子の標準断面積値に規格化する方法によった。Westonらの測定結果は本測定値と全体に一致を示したが、keV領域では少し低目である。Hoffmanらによる測定値は本実験値よりかなり低く、エネルギー依存性にも違いがあることが分かった。最近Igashiraらが数10keV領域で測定した結果は、我々の実測データの外挿値と一致する方向にある。また、評価済核データ(ENDF/B-VI、JENDL-3.2)は、何れも本実験値に近いが、keV領域においては少し低目の傾向を示している。
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[Publications] 小林捷平,山名元: "Measurements of Neutron-induced Fission Cross Section of Americium-243 from Thermal Neutron Energy to 15 keV Using Lead Slowing-down Spectrometer and Thermal Neutron Facility"J.Nucl.Sci.Technol.. 36・1. 20-28 (1999)
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[Publications] 小林捷平,山名元,三頭聡明: "Fission Cross Section Measurements of Th-229 and Pa-231 Using Linac-Driven Lead Slowing-Down Spectrometer"Proc.of the Tenth Int'l Symp.on Reactor Dosimetry, Held at Osaka, Sept.12-Sept.17,1999,Edited by J.G.Williams,D.W.Vehar,F.H.Ruddy and D.M.Gilliams, ASTM STP 1398,in print.. (印刷中). (2001)
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[Publications] 森山裕丈,山名元: "Analysis of Mononuclear Hydrolysis Constants of Actinide Ions by Hard Sphere Model"Radiochimica Acta. 87. 97-104 (1999)
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[Publications] 森山裕丈,山名元: "An Application of Actinide Elements for a Redox Flow Battery"J.Nucl.Sci.Tehenol.. 37. 253-256 (2000)
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[Publications] 山名元,森山裕丈: "Distribution Equibrium of Lanthanides in the Liquid-Liquid extraction System of TBP and Molten Ca(NO_3)_2・4H_2O"Radiochimica Acta. 84. 191-200 (1999)
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[Publications] 山名元,森山裕丈: "Simultaneous Measurement of Prompt Neutrons and Fission Fragments for ^<239>Pu(n_<th>,f)"J.Nucl.Sci.Technol.. 37・11. 941-948 (2000)
