1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480148
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 道雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40183652)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比木 敬一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40292825)
佐々木 誠 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80235267)
橘 和夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70142081)
|
Keywords | 海洋天然物 / ポリエーテル化合物 / マイトトキシン / 作用標的分子 |
Research Abstract |
海洋生物から特異な生物活性と構造を持つポリエーテル化合物が数多く発見され、天然物化学以外の分野でも広く注目を集め、作用の分子的解明も進んでいる。一方では、今回取り上げるマイトトキシン(MTX)などは、非常に強力な生物活性を有しているにもかかわらず、作用のターゲットが解明されていない化合物も残されている。 申請者らは、マイトトキシンの分子全体の立体配座が明らかにした。それによると、分子の後半部分の17個の疎水的エーテル環部はほぼ直線的な配列をしており、生体膜を貫通しうることが示唆された。これらの立体化学の知識を踏まえて、誘導化反応を検討した結果、位置特異性が期待されるディールス・アルダー反応が適当との判断に至り反応の適用を試みた。マイトトキシン(MTX)に対してジエノフィル(無水マレイミド)を高圧下反応させることによって、MTXの共役二重結合部分にビオチンを導入することに成功したので、このプローブ分子を用いて結合タンパク質の探索を開始した。また、別途、ビオチンと光親和標識基を有するプローブを同様に導入することに成功した。これらの反応混合物中から、最新のLC-MSを用いることによって目的物を検出し、効率良く精製することができた。共役二重結合を用いれば、水酸基の場合とはことなり位置特異的な標識が可能であり、タンパク質内の標識位置の同定にも役立つことが期待される(但、新たに生成した2つ不斉炭素については、顕著なジアステレオ選択性は認められなかった)。予備的な膜タンパク質の標識実験の結果では、MTXは非特異的に膜タンパク質に結合する傾向があることが分かった。本研究によって、マイトトキシンの結合分子が同定されれば、その方法論が他の大型天然分子にも適用できる。本年度の研究で、共役二重結合特異的なプローブ分子を設計、応用できたことの意義は大きく、現在未解明のまま残されている天然物の作用標的分子の解明が一気に進むことが期待される。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Keiichi Konoki: "Inhibition of maitotoxin-induced Ca^<2+> in fhex in rat glioma C6 cells by breretrcins and synthetic fragment of maitotoxin" Journal of Neurochemistry. 70. 409-416 (1998)
-
[Publications] Hidenori Nakagawa: "Screening of epiphytic dinoflagellates for radical scarenging and cytotonic activities" Phycological Research. 46. 9-12 (1998)
-
[Publications] Keiichi Konoki: "Direct observation of binding between biotinylated ohadait actol and protein phosphstasc ZA monitored by surface plasmon resonance" Tetrahedron Letters. 40. 887-890 (1999)