1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒田 裕久 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00111930)
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Keywords | 自己組織化 / ポルフィリン / ポルフィリンアレイ / 分子認識 / exciton coupling |
Research Abstract |
インターフェイス分子を介して組織化が行われるタイプの自己組織化反応を開発することを目的として、テトラアミノTPPとフタル酸誘導体の反応によって得られる2重架橋ポルフィリンと酒石酸エステルの特異的4点水素結合相互作用による分子認識系を利用して複数のポルフィリンを組織化する分子システムの構築を試みた。インターフェース分子としては1.6-hexameyhy lenediolをスペーサーとしてもつ酒石酸オリゴマーを合成し、これらの分子と2重架橋ホルフィリン間の相互作用について温度可変電子スペクトル及び蛍光スペクトルによる検討を行った。その結果、酒石酸部位を複数個もつインターフェース分子を用いると、低温領域で複数のホルフィリン間のexciton coupling相互作用に基づく特異的なSoretバンドの分裂が観測され、単純な1:1錯体の生成系とは全く異なる挙動をとることが明らかとなった。さらに、これらの系のイオンスプレイマス-スペクトル、Jobプロットによる解析データを併せて、低温においてインターフェース分子の個々の酒石酸部位に2重架橋ポルフィリンが結合したポルフィリンのアレイ構造を生成していることが示された。また、これらのアレイ構造の自己組織化機構について、スペクトルの温度依存性データを用いてその熱力学的特性を解析した。その結果、インターフェース分子への各ポルフィリン分子の組織化過程においては隣接ポルフィリン間の大きな立体障害などは無いことが明らかとなり、より大きなアレイ構造構築の可能性が十分にあることが明らかとなった。これらの結果は自己組織化機能が光合成系などに見られる大規模ポルフィリン集合体の人工的構築の有力な手段となりうることを示すものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "Self-organized Porphyrin Array" Tetrahedron Lett.39・28. 2993-2996 (1998)
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[Publications] Yasuhisa Kuroda: "Reactive Organometallics - “Design and Synthesis of Porphyrins Possesing Metallo Enzyme-like Functions of Molecular Recognition"" Kodansha LTD, 520 (1998)