2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗-細胞接着マトリックスのシグナルの伝達機構と細胞機能の研究
Project/Area Number |
10480161
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Research Institution | INSTITUTE FOR MOLECULAR SCIENCE OF MEDICINE, AICHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木全 弘治 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 教授 (10022641)
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Keywords | 抗-細胞接着 / PG-M / バーシカン / アネキシンVI / ヒアルロン酸 / シグナル伝達 / コンドロイチン硫酸 / アルタティブスプライシング / インテグリンクラスターリング |
Research Abstract |
1)annexinVIからの抗-細胞接着シグナルの有無について昨年度までの解析方法に改良を加え、最終的な検討を行った。annexinVIの非発現細胞、A431にそのcDNAを導入して作製した発現量が様々に異なる細胞株を用いて、様々な接着基質をコートした培養皿にPG-Mコートビーズを置き、その上に上記細胞株を添加してビーズ近辺の接着シグナルのPG-Mの有無に依存した変化と、ビーズへのannexinVIの発現程度に依存した集積を調べた。ビーズを培養皿に固定するために磁気ビーズを用いるなどの工夫をし、幾つかの接着斑局在分子についても調べた。フィブロネクチンコートビーズには調べた接着班分子はもとよりannexinVIやIVの集積が、しかしPG-Mコートビーズには調べた限りのいずれの分子の集積も有意でなかった。annexinVIがGAP、Fyn、Pyk2と複合体を形成し、rasのシグナルに関与するとの情報をもとに、Pyk2のファミリー分子、CAKを強制発現させ、GFP融合蛋白質として発現を確認した細胞についても、その細胞接着におけるPG-M活性には変化が観察されなかった。以上、及び前年度の結果から、抗-細胞接着マトリックス分子PG-Mのシグナルの伝達系としてannexinVI関与の機構は再考すべきとの結論に達した。 2)前年度のin vitroでの研究結果をふまえ、本年度は相同遺伝子組み換えによりPG-Mの発現に異常を示すマウスにおけるin vivoの解析に主力を移した。完全ノックアウトマウスについては、ほぼ作製に成功し、Mjaatvedtらの結果とほぼ一致して9dpc付近で致死であった。このマウスから得た培養細胞について、既に細胞挙動、特に細胞接着性の異常を予備的に確認した。コンドロイチン硫酸鎖の役割の確認を目的に、糖鎖結合部位を持たないPG-M(V3フォーム)を発現するノックインマウスの作製を試み、現在、F1確立の段階にある。組織の形態・分化におけるPG-Mの抗細胞接着因子としての役割の解析を目的に、コンディショナルなノックアウトマウスの作製も急いでいる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yoshida,N.Itano, et al.: "In vitro synthesis of hyaluronan by a single protein derived from mouse HAS1 gene and characterization of amino acid residues essential for the activity."J Biol Chem. 275. 497-506 (2000)
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[Publications] A.Oohira,Y.Kushima, et al.: "Effects of lipid-derivatized glycosaminoglycans(GAGs), a novel probe for functional analyses of GAGs, on cell-to-substratum adbesion and neurite elongation in primary cultures offetal rat hippocampal neurons."Arch Biochem Biophys. 378. 78-83 (2000)
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[Publications] D.Perissinotto,P.Iacopetti, et al.: "Avian neural crest cell migration is diversely regulated by the two major hyaluronan-binding proteoglycans PG-M/versican and aggrecan."Development. 127. 2823-2842 (2000)
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[Publications] 森田博之,木全弘治.: "プロテオグリカンと腎疾患."病理と臨床. 18. 364-370 (2000)
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[Publications] 矢田俊量,木全弘治.: "肝におけるヒアルロン酸の動態."最新医学. 55. 1744-1750 (2000)
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[Publications] M.Yoneda,M.Zhao, et al.: "Roles of inter-α-trypsin inhibitor and hyaluronan-binding proteoglycans in hyaluronan-rich matrix formation."New Frontiers in Medical Sciences : Redefining Hyaluronan.Elsevier Science. 21-30 (2000)