1998 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球系細胞における遺伝情報発現の制御機構および細胞分化における役割の解明
Project/Area Number |
10480163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 典夫 東北大学, 医学部, 教授 (00004606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 聡 東北大学, 医学部, 助手 (50292214)
五十嵐 和彦 東北大学, 医学部, 助教授 (00250738)
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Keywords | NF-E2 / Nrf3 / MafK / Bach1 / 転写調節 / ヘム調節モチーフ / 5-アミノレブリン酸合成酵素 / コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ |
Research Abstract |
1)NF-E2の関連因子の解析:血液細胞特異的転写因子NF-E2の関連因子としてNrf3(NF-E2-related factor3)を新たに単離し、その性質を検討した。その結果、Nrf3はMafKとへテロ2量体を形成し、NF-E2結合部位即ちMaf認識配列(MARE)に結合して転写活性化能を示すこと、ヒト胎盤およびB細胞・単球系列での発現が高いことが知られ、特にB細胞分化の後期に機能している可能性が示唆された。また、Nrf3遺伝子は他のNF-E2関連因子と同様に染色体のHox遺伝子クラスターの近くに局在しており、本関連因子群はHoxクラスター祖先遺伝子近傍の共通な祖先遺伝子から染色体重複により分岐したという説を支持していた。2)ヘム調節モチーフ(HRM)の解析:(1)5-アミノレブリン酸合成酵素のミトコンドリア移行のHRMによる調節には2つのHRMの存在と共にHREを含む領域の高次構造も重要であること、細胞内ヘム濃度の変動に対するHREの感受性は非赤血球型酵素の方が著しく高いことが確かめられた。(2)血球分化にも関連の深いBTBおよびhZip領域を有する転写因子Bach1には6ヶ所のHREが存在する。Bach1のDNA結合活性に対するヘムの影響を調べたところ、10^<-6>Mまたはそれ以下の低濃度のヘムの存在により著しく抑制されることが知られ、本転写因子に対し酵母HAP1因子のようなヘムによる調節が働いている可能性が示唆された。3)コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ(CPO)遺伝子の転写調節:ヘム生合成系酵素の一つCPOのプロモーター領域の解析により、本遺伝子プロモーター機能に対する調節機構は赤血球系と非赤血球系とでは異なること、しかし新たに見出された調節配列CPRE(CPO regulatory element)は両系列の細胞において重要であることが明らかにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kobayashi,Akira: "Molecular cloning and functional characterization of a new CNC family transcription factor Nrf3." J.Biol.Chem.274. 6443-6452 (1999)
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[Publications] Takahashi,Shinichiro: "Differential regulation of coporoporphyrinogen oxidase gene between erythroid and nonerythroid cells." Blood. 92. 3436-3444 (1998)
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[Publications] Muto,Akihiko: "Identification of Bach2 as a B-cell-specific partner for small Maf proteins that negatively regulate the immunoglobulin heavy chain gene 3'enhancer." EMBO J.17. 5734-5743 (1998)
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[Publications] Furuyama,Kazumichi: "ALAS2 gene encodes a pyridoxine-responsive enzyme with low activity." British J.Haematol.103. 839-841 (1998)