1998 Fiscal Year Annual Research Report
二つの細胞内局在化シグナルを含む蛋白における選択的局在化機構の解析
Project/Area Number |
10480165
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小田 敏明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90126805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
三浦 恵 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60157427)
横田 貞記 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40020755)
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Keywords | セリンアミノ転移酵素 / ミトコンドリア移行シグナル / ペルオキシソーム移行シグナル / オルガネラ局在化機構 |
Research Abstract |
同一分子内にミトコンドリア移行シグナル(MTS)とベルオキシソーム移行シグナル(PTS)の両方を持つ、ミトコンドリア移行型セリン:ピルビン酸アミノ転移酵素(SPT)前駆体の選択的ミトコンドリア標的機構を解明するために申請書に記載のクローン多数を作製した。培養細胞内発現クローンは培養細胞(COS-1)に導入し、ミトコンドリアをMito Tracker Greenで、ペルオキシソームをTexas Redで標識した抗カタラーゼ抗体で、発現産物をCascade Blueで標識した抗SPT抗体で染色し、同一細胞で産物のオルガネラ局在を解析した。また、無細胞転写・翻訳クローンはin vitroペルオキシソーム取り込み系で変異と標的能の関係を解析した。 1. 蛍光多重染色によるミトコンドリア移行シグナルの解析 MTS 22アミノ酸のうち、1アミノ酸の置換、あるいはプロリン1残基の導入ではMTS機能は損なわれなかったが、N末側からの、あるいはC末側からの数アミノ酸の欠失や3残基以上のプロリンの導入で、MTS機能は抑制された。このとき、産物は一部ペルオキシソームへと移行した。変異体のMTS機能の消失とペルオキシソームへの移行(PTSの機能発現)は共役しているものと思われた。 2. in vitro取り込み系によるペルオキシソーム移行シグナルの解析 SPTのC末3アミノ酸(NKL)は代表的なPTSであるPTS1(SKL Motif)に似ているが、それ以外のC末付近のアミノ酸変異でもPTS機能が損なわれることが観察された。PTS1と異なり、C末3アミノ酸だけでは、十分なPTS機能を発揮できないことが示された。C末20アミノ酸をジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)のC末に結合させたキメラ蛋白質はin vitroでペルオキシソームに取り込まれる傾向を示し、このことはC末20アミノ酸以内にPTSが存在することを示唆している。
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