2000 Fiscal Year Annual Research Report
P型ATPアーゼの反応機構・細胞内輸送および生理機能
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10480168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 正知 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80190297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Keywords | P-ATPアーゼ / H^+ / K^+-ATPアーゼ / Cl^-チャンネル / 細胞内輸送 / プロトンポンプ / Mat-8 / 胃粘膜細胞 |
Research Abstract |
(1)昨年度、Mat-8が胃の壁細胞ではなく表層粘液細胞に発現していることを示した。本年度はMat-8の細胞内局在性について検討した。遺伝子操作により、Mat-8のカルボキシ末端側に赤色蛍光蛋白であるDs-Red(Mat8-DsRed)を融合した形で発現するよう、発現プラスミドを構築した。これをCos-1細胞に導入し融合蛋白を一過的に発現させた。蛍光顕微鏡下で融合蛋白質が細胞のどのような部位に存在するのかどうか観察した。その結果、小胞体とさらに小胞体とは別の細胞内小胞に発現が見られた。一方、小胞体に発現が観察されている緑色蛍光を発するTAPL-GFPを共に発現させ、赤と緑の蛍光の局在を比較したところ、明らかにMat8-DsRedは小胞体以外の部位にも発光が見られた。同様の結果は、マウス胃表層粘液細胞由来のGSMO6細胞を用いても得られた。これらの結果より、Mat-8は小胞輸送に関係する細胞内膜系に局在し、相互作用する分子が存在する場合、或いは何らかのシグナルに応答して細胞膜へ移行し、イオン輸送の制御を行っているのではないかと考えられる。また、融合蛋白が細胞の膜画分に存在することをウエスタンブロッテイングにより確認した。 (2)一方、H^+/K^+-ATPase(プロトンポンプ)のK^+イオンの親和性について、ラットとブタの酵素のαとβサブユニットを用いハイブリッド解析を行った(J.J.H.H.M.De Pontと共同)。リン酸化中間体(EP)の存在量とK^+イオン濃度との関係を調べると、ラットβサブユニットを持つαβ複合体の場合に低濃度のK^+イオンでEPが分解した。このことより、βサブユニットがK^+イオン感受性の差を決定していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ayako Kobayashi: "A half-type ABC transporter TAPL is highly conserved between rodent and man, and human gene is not responsive to interferon in Contrast to TAP1 and TAP2 ."Journal of Biochemistry. 128. 711-718 (2000)
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[Publications] Harm.P.H.Hermsen: "The K^1 affinity of gastric H^+. K^+-ATPase is affected by both lipid composition and the β subunit."Biochimica et Biophysica Acta. 1480. 182-190 (2000)
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[Publications] Tomeyuki Terada: "Characterization of the mouse TFF (P^S2) gene promoter region."Biological Pharmaceutical Bulletin. 24. 135-139 (2001)