2001 Fiscal Year Annual Research Report
P型ATPアーゼの反応機構・細胞内輸送および生理機能
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10480168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 正知 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80190297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Keywords | P-ATPase / H^+ / K^+-ATPアーゼ / Cl^-チャンネル / 細胞内輸送 / プロトンポンプ / Mat-8 / 胃粘膜細胞 |
Research Abstract |
胃酸であるHClの分泌はプロトンポンプとCl^-チャンネルの協調的な作用でおきる。胃に発現するC^-チャンネルとの関連を想定し、ホモロジークローニングによって得られたMat8は、ツメガエル卵母細胞でCl^-チャンネル活性を誘導し、またNa^+/K^+-ATPaseのγサブユニットと相同性がある興味深い膜蛋白である。Mat8はこれまでの検討で粘液分泌細胞で発現することから、プロトンポンプ本体とは別個にCl^-輸送に関わっている可能性が高い。また、Mat8は他の膜蛋白と会合して輸送体複合体を形成していると予想できるので、酵母を用いたツーハイブリッド法によりこのような相手を同定することを計画した。さらに、平成13年度になって、Mat8と類似のCHIFという1回膜貫通型蛋白がNa^+/K^+-ATPaseの活性を制御すると言う報告がなされたこと、Na^+/K^+-ATPaseのγサブユニットが腎臓で細胞内のソーテイングに関わっていることが示されたこと、γサブユニットの変異が遺伝病の原因になることが明らかになり、Mat8が機能する際の構造ユニットに注目が集まってきた。そのため、本年はこの点の解明に主眼を置いて検討を進めることとした。Mat8の細胞外ドメインまたは細胞内ドメインを転写因子Gal4のDNA結合ドメインと融合するかたちで酵母内に発現させ、同時にGal4の転写活性化ドメインに相当する配列とcDNAライブラリーを連結させたプラスミドを導入し、栄養要求性を克服できるクローンを選択した。その結果、細胞外ドメインでは多数の擬陽性コロニーが出てしまい、非特異的な相互作用が生じてしまっていると考えられた。一方、細胞内ドメインでは6個のクローンをこれまでに得ることができた。これらクローンのcDNAがMat8の細胞内ドメインと相互作用する相手の候補蛋白をコードしているのかが大変興味深い。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tomoyuki Terada 他3名: "Characterization of the mouse TFF, (pS2) gene promoter region"Biol. Pharm. Bulle.. 24. 135-139 (2001)
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[Publications] Reiko Nakagawa 他5名: "GATA DNA-binding protein expressed in mouse I-10 Leydig testicular tumor cells"Biochem. Biophys. Res. Common.. 283. 412-416 (2001)
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[Publications] Tomoyuki Terada 他6名: "Mutational analyses of cysteine residues of lovine dihydrodiol dehydrogenase"Biochem. Biophys. Acta. 1547. 127-134 (2001)
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[Publications] Jun Inoue 他5名: "Proteolytic activation of SREBPs during adipocyte differentiation"Biochem. Biophys. Res. Common.. 283. 1157-1161 (2001)
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[Publications] 前田正知(分担執筆): "タンパク質化学 第4巻 酵素(H^+/K^+-トランスポーティングATPase)"広川書店(印刷中). (2002)
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[Publications] 前田正知(分担執筆): "タンパク質化学 第4巻 (Na^+/K^+-トランスポーティングATPase)"広川書店(印刷中). (2002)
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[Publications] 前田正知(分担執筆): "タンパク質化学 第4巻 (Ca^<2+>/-トランスポーティングATPase)"広川書店(印刷中). (2002)