1999 Fiscal Year Annual Research Report
GD3ガングリオシドの発現、修飾およびその機能解析
Project/Area Number |
10480173
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
佐内 豊 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40150289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 陽一 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00300955)
笠原 浩二 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60250213)
星野 真人 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40212196)
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Keywords | ガングリオシド / チロシンキナーゼ / 細胞接着分子 / ラフト / 生殖腺 |
Research Abstract |
シグナル伝達におけるガングリオシドの役割:シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質であるガングリオシドは脳神経系に多く存在し、神経発生に何らかの役割を果たしていると考えられている。そこで、ガングリオシドと会合する分子の同定を試みた。その結果、ラット小脳においてガングリオシドGD3がGPIアンカー型神経細胞接着分子TAG-1、srcファミリーキナーゼLynと会合していることを見いだした。ラット小脳初代培養細胞を抗TAG-1抗体でクロスリンク、またはTAG-1リガンドであるホスファカン(神経特異的プロテオグリカン)により刺激すると、Lynが活性化し80kDaタンパクのチロシンリン酸化がおこり、さらに抗ガングリオシドGD3抗体でクロスリンクしても、同じ反応が観察できた。この結果は、TAG-1の接着シグナルがラフトを介して細胞内のLynへ伝達されること、さらにそのシグナル伝達にはスフィンゴ糖脂質糖鎖が重要な役割を果たしていることが示唆している。 ミルク脂肪球皮膜糖蛋白質MFG-E8の発現と機能 MFG-E8はGD3シアル酸O-アセチル化酵素遺伝子のクローニングの過程で得られた分子である。MFG-E8は,EGF様リピートとDiscoidin様リピートを持つ分子量55KDaの糖蛋白であり、細胞-細胞、細胞-細胞外基質間の接着に深く関与していることが推測されるが不明な点が多い。我々は発生過程におけるMFG-E8の機能を探るためにその遺伝子発現を詳しく検討した。胎仔期において生殖原基がMFG-E8の主要発現部位であることを見い出した。そこで個体レベルでMFG-E8の機能を明らかにするために、MFG-E8ノックアウトマウスを作成することを試み、相同組み換え体ES細胞を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimoda, Y. 他: "Cloning and Expression of a Novel Galactoside β1, 3-Glacronyl-transferase involved in the Biosynthesis of HNK-1 Epitope"J. Biol. Chem.. 274. 17115-17122 (1999)
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[Publications] Kasahara, K. 他: "Possible roles of glycosphingolipids in Lipid rafts"Biophys. Chem.. 82(3). 121-127 (1999)