1999 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアのべん毛モーター・トルク発生装置の構造解析
Project/Area Number |
10480184
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Research Institution | TEIKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
相沢 慎一 帝京大学, 理工学部, 助教授 (50222451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 則男 工学院大学, 工学部, 教授 (80164896)
山口 滋 明治大学, 商学部, 教授 (30210363)
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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Keywords | サルモネラ菌 / べん毛モーター / トルク発生装置 / 急速凍結法 / 浸透圧ショック法 / モット複合体 |
Research Abstract |
バクテリアのべん毛モーターはプロトン駆動力、すなわち細胞外から細胞内に流れ込む水素イオンによって回転する。本研究はべん毛モーターのトルク発生装置の構造を明らかにするために、急速凍結/ディープエッチ法を用いて、ペリプラズマ空間に存在するはずのトルク発生器の構造を視覚化することを目的とする。 本年度は、実験計画に沿って急速凍結/ディープエッチ法を3回試みたが、トルク発生器の構造を明らかに視覚化することはできなかった。すなわち、野生株からはトルク発生器であるCリングそのものがほとんど見つからなかった。 これと平行して行った分泌タンパク質の解析実験において、通常大量に分泌されている病原性因子SipAなどがモット変異体では異常に少なるなることが観察された。さらに、それはSipAがきわめて酸化されやすいことから起こる現象であることがわかった。このことはトルク発生装置のプロトン導入路Motタンパク質の有無で細胞表面の酸化状態が変化することを示している。 これらのことから、Motタンパク質の在り方そのものが現在考えられているようなものでないことを示唆している。したがって、トルク発生装置の存在様式の他の可能性を再検討する必要があると思われる。
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[Publications] Muramoto et.al: "Effect of hook subunit concentration on assembly and control of length of the flagellar hook of Salmonella"J.Bacterial. 181. 5808-5813 (1999)
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[Publications] Minamino et.al: "Flik,the protein responsible for flagellar hook length control in Salmonella,is exported during hook assembly"Mol.Microbiol.. 34. 295-304 (1999)
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[Publications] Komoriya et.al: "Flagellar protein and typeIII exported virulence factors are the predominant protein secreted into the culture..."Mol.Microbiol.. 34. 767-779 (1999)
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[Publications] Aizawa et.al: "Signaling components in bacterial locomotion and sensory reception."J.Bacteriol. 182. 1459-1471 (2000)
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[Publications] 相沢慎一: "サルモネラ菌の毒針と尻尾"蛋白質核酸酵素. 44・1. 1-7 (1999)
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[Publications] 相沢慎一: "バクテリアのべん毛モーターとナノトライボロジー"トライボロジスト. 45・2. 26-31 (2000)