1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ秒温度ジャンプを用いた蛋白質高次構造変化の時間分解振動分光学的研究
Project/Area Number |
10480187
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40029955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 尚志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70183770)
水谷 泰久 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (60270469)
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Keywords | 温度ジャンプ / 時間分解ラマン / ナノ秒温度ジャンプ / リボヌクレアーゼ / 熱変性 / 振動分光 / 蛋白質アンファルディング |
Research Abstract |
2種のレーザー温度ジヤンプ装置を製作した。1つは1.89μmパルスをヒ一ト光、もう1つは1.56μmパルスをヒート光とするもので、QスイッチNd:YAGレーザー励起のH_2或いはD_2誘導ストークスラマン光として作り出した。これをMoO_4^<2->水溶液に照射し、その△t秒後のストクスラマンとアンチストークスラマンを測定して、その相対強度から温度上昇値を得た。ヒート光をサンプルセルの表裏両側から照射する事により、セル内の温度分布の幅が狭くなるようにした。1.56μmパルスでは32℃、1.89μmのパルスでは9℃の温度ジヤンプを達成する事に成功した。上昇した温度は3ミリ秒持続する事が明らかになった。1.56μmの場合はセルの厚さが20μm以下にしないと温度分布が広くなりすぎるが、その程度の厚さでは蛋白質の飽和溶液を用いてもラマン線は見えなかった。1.89μmの場合はセルの厚さを2mmまで厚くできた。ウシ膵臓のリボヌクレアーゼAの温度ジャンプを1.89μmのパルスで行い、その時間分解ラマンスペクトルを532nmの9nsパルスでプローブした。62℃から71℃への温度ジャンプによるラマンスペクトルの変化量を、それぞれの温度の平衡状態にある場合のスペクトル変化量と比較した。メチオニンのC-S伸縮振動は200ナノ秒で平衡値の10%、5ミリ秒後でも20%程度であった。活性部位に結合しているSO_4^<2->イオンの980cm^<-1>のバンドは100マイクロ秒後に強度増加を示した。しかしS-S伸縮振動やチロシンダブレットは5ミリ秒後でもあまり変化しなかった。これよりタンパクの熱アンフォルディングは協奏的には起こらず、時間的にはバラバラであることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K. Yamamoto, Y. Mizutani and T. Kitagawa: "Nanosecond Temperature Jump and Time-resolved Raman Study of Thermal Unfolding of Ribonuclease A"Biophysical Journal. (in press). (2000)
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[Publications] Y. Mizutani, K. Yamamoto and T. Kitagawa: "Fast Protein Dynamics Probed by Vibrational Spectroscopy"Old and New Views of Protein Folding. 85-94 (1999)