2000 Fiscal Year Annual Research Report
原核・真核微生物に普遍的な二成分リン酸リレー情報伝達ネットワークの分子基盤解析
Project/Area Number |
10480191
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水野 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10174038)
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Keywords | 高等植物 / シロイヌナズナ / His-Asp情報伝達 / サイトカイニン / センサー / リン酸リレー |
Research Abstract |
高等植物の主要なシグナル伝達機構であるHi・Aspリン酸リレー系に関して、植物ホルモン応答などの植物高次機能との関連を含めて総合的に明らかにすることを目的として、シロイヌナズナを主な研究対象として研究計画を推進した。HisキナーゼAHK群は植物ホルモンなどに対するシグナル検知センサーとして機能していることが予想された。ETR1を含む5種類はエチレンのセンサーとして機能していることが分かっている。CKI1とCKI2はサイトカイニンのセンサーであると提案されており、ATHK1は浸透圧センサーと予想されている。我々は、これらとは異なる3種類のHisキナーゼ遺伝子を取得・解析した。(AHK2/AHK3/AHK4)。これらの結果と最近決定されたシロイヌナズナの全ゲノム配列の結果を総合すると、シロイヌナズナには総計11種類のセンサーHisキナーゼ遺伝子が存在する。AHK群は互いに構造的特徴がよく似ているが、これまでのものとは異なるグループに属すると思われ、未知のシグナルを検知する新規なセンサーHisキナーゼと予想された。以上のように、シロイヌナズナにおけるHis・Aspリン酸リレー系の全体像と植物の高次機能制御におけるその重要性を理解するための分子基盤をほぼ完全に整えることができた。のみならず、本特定領域研究の目的の一つである植物器官間コミュニケーションの一側面を明らかにするための多くの手がかりと基礎知識基盤を確立することができた。これは、本特的領域がスタートする時点で目標としていた到達点を遙かに越えた望外の成果であったと自負している。これらを基礎として今後さらに研究を展開により、高等植物の高次機能制御シグナル伝達機構の重要な側面としてHis・Aspリン酸リレーシグナル伝達系が注目すべきパラダイムになると思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikegami,T.et al.: "Solution structau and dymamic character of the sistidime-comtaimg phosphotramsfer demaim of Arc B from E.coli"Biochemistry. 40. 375-386 (2001)
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[Publications] Matsushika,A.et al.: "Circadiam waues of upressiom of the AIRRI/ToC1 family lf pseudi-se spomce segulator in A.thuliama"Plant Cell Physiol.. 41. 1002-1012 (2000)
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[Publications] Katoh et al.: "High precistom NMR struclus of YlhP, a movel E.voli protein simplicities in ull division."J.Mol.BTol.. 304. 219-229 (2000)
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[Publications] Suguki et al.: "Compilation and characterig ation of histidine-contaiming phosphrtunsrnitters miplicaled in His-To-Asp phosphorelay in plants"Biosu.Biotechnsl.Biochem. 64. 2486-2489 (2000)
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[Publications] Aoyama et al.: "Spy1, a histidine-containimg Phosphotrausfer (HPt) sigmating Protein negulates fissiom yeastull Cycle thsussh c/m Mcs4 nesponce neynlstor"J.Bacteriol. 182. 4868-4874 (2000)
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[Publications] Makino et al.: "Gene en coding pseudo-sespanse segulators : In sight intr His-to Asp phosphorelay and ceicadiamshytlm in A.thaliama"Plant Cell Physiol.. 41. 791-803 (2000)