1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂終了に連係した中枢ニューロンの発生分化機構
Project/Area Number |
10480217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 和明 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (30094452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 太一 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (20260309)
谷浦 秀夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80263325)
新延 道夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (80135748)
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Keywords | Necdin / ニューロン / 細胞周期 / E2F1 / p53 / アポトーシス / プラダー・ウイリ症候群 / ゲノムインプリンティング |
Research Abstract |
中枢ニューロンは幹細胞から分化すると同時に非可逆的に増殖能を失い、個体の生涯を通して再び分裂をすることはない。このニューロンの示す分裂終了という形質は最も基本的かつ重要な性質であるが、その分子機構の詳細については不明である。本研究では神経分化に特異的な蛋白質necdinがニューロン分化に伴う分裂終了機構に関わるかを検討した。 1) Necdinは転写因子E2F1と結合して,細胞分裂を促進するc-myc遺伝子の転写を抑制した.また、necdinは特異的なDNA配列を認識して、その配列を含むプロモーターによって制御される転写を抑制することがわかった。 2) Necdinはp53の転写活性化部位に結合してp53依存性の転写活性を抑制した.さらに、necdinはp53によるアポトーシスを抑制したが、p53の細胞増殖抑制作用には影響を与えなかった。 3) Necdin遺伝子はゲノムインプリンティングが関与する代表的疾患であるプラダー・ウイリ症候群の原因遺伝子の局在部位15q11-q12に存在した。Necdinのノックアウトマウスを作製し、父方由来の遺伝子を欠損すると母方の遺伝子が正常でもnecdinが発現しないことを確認した。 4) 以上の結果、necdinはE2F1とp53の両者を標的にする転写抑制因子であること、また、母方のnecdin遺伝子はゲノムインプリンティングを受けてお力、父方由来のnecdin遺伝子が欠損するとニューロンの分化が障害される可能性が示唆され.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakada,Y 他4名: "The human chromosomal gene for necdin,a neuronal growth suppressor,in the Prader-Willi syndrome deletion region." Gene. 213. 65-72 (1998)
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[Publications] Taniura,H 他3名: "Necdin,a postmitotic neuron-specific growth suppressor,interacts with viral transforming proteins and cellular transcription factor E2F1." Journal of Biological Chemistry. 273. 720-728 (1998)
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[Publications] Nishimura,I 他7名: "Degeneration in vivo of rat hippocampal neurons by wild-type Alzheimer amyloid precursor protein overexpressed by adenovirus-mediated gene transfer." Journal of Neuroscience. 18. 2387-2398 (1998)
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[Publications] Barnes N 他5名: "Increased production of amyloid precursor protein provides a substrate for caspase-3 in dying motoneurons." Journal of Neuroscience. 18. 5869-5880 (1998)
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[Publications] Sato,N.他11名: "A novel strategy for introducing exogenous bcl-2 into neuronal cells:the Cre-loxP system-mediated activation of bcl-2 for preventing programmed cell death using recombinant adenoviruses." Molecular Cellular Neuroscience. 12. 65-78 (1998)