1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂終了に連係した中枢ニューロンの発生分化機構
Project/Area Number |
10480217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 和明 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (30094452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 太一 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (20260309)
谷浦 秀夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80263325)
新延 道夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (80135748)
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Keywords | ニューロン / 細胞分裂終了 / アポトーシス / プロテアソーム / アデノウイルスベクター / Necdin / E2F1 / p53 |
Research Abstract |
中枢ニューロンは幹細胞から分化すると同時に非可逆的に増殖能を失い、個体の生涯を通して再び細胞分裂をすることはない。この永久的細胞分裂終了という特徴は分化したニューロンが示す最も基本的かつ重要な形質である。本研究では神経分化に特異的な蛋白質necdinや細胞周期調節因子E2Fやp53が、細胞分裂を終了したニューロンにどのような作用を及ほすかを研究し、以下の結果を得た。 1 Necdinは細胞周期を制御する転写因子p53に直接結合して、p53の転写活性化能を阻害した。また、Necdinはp53のアポトーシス誘導作用に括抗した。 2 Necdinの組換え蛋白質を用いて特異的なDNA結合配列を同定し、NecdinがそのDNA配列を介して転写因子として働くことが明らかになった。 3 Necdinに結合する細胞周期促進因子E2F1の遺伝子発現は神経分化に伴って顕著に誘導され、細胞分裂を終了したニューロンでも発現していた。一方、E2F1蛋白質濃度は分裂終了ニューロンでは極めて低く、プロテアソームによって蛋白質分解を受けていた。 4 アデノウイルスベクターを用いてE2F1遺伝子を分裂終了したニューロンに導入すると、細胞死(アポトーシス)が誘導されることを見いだした。 5 以上の結果、細胞分裂終了したニューロンに発現しているnecdinや細胞周期制御因子E2F1やp53は、相互作用をすることによって、分裂終了ニューロンの生存や維持に重要な役割を果たすものと推定される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Azuma-Hara M 他4名: "Regulation and deregulation of E2F1 in postmitotic neurons differentiated from embryonal carcinoma P19 cells"Experimental Cell Research. 251. 442-451 (1999)
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[Publications] Tanimura H 他2名: "Physical and functional interactions of neuronal growth suppressor necdin with p53"Journal of Biological Chemistry. 274. 16242-16248 (1999)
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[Publications] Uetsuki T 他7名: "Activation of neuronal caspase-3 by intracellular accumulation of wild-type Alzheimer amyloid precursor protein"Journal of Neuroscience. 19. 6955-6964 (1999)
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[Publications] Nakada Y 他3名: "Characterization and chromosomal mapping of a human necdin pseudogene"Gene. (印刷中).
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[Publications] Ninobe M 他2名: "Cellular and subcellular lacalization of necdin in fetal and adult mouse brain"Developmental Neuroscience. (印刷中).