1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480220
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20216063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 高史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90244540)
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
藤森 修 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30128350)
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Keywords | 酸味受容体 / 味覚 / 受容体 / クローニング / 遺伝子 |
Research Abstract |
塩味や酸味の受容体遺伝子の単離、同定とその機能を解析する目的で本研究を始めた。平成10年度に我々は酸味受容体をコードする遺伝子がMDEG1であることを明らかにした。 さらにこの酸味受容体遺伝子(MDEG1)をアフリカツメガエル卵母細胞に発現させた系を用いて、酸味センサーとして、酸味修飾物質を解析した。科学的にはプロトンが酸味呈示物質と考えられプロトンの濃度(pH)によって酸味の強度が変わると考えられているが、実際にヒトの味覚では多くの有機酸が無機酸に比べると、同じpHでもより強い酸味を示すことが知られているので、各種有機酸をこの系を用いて解析した。pH5.0の塩酸による応答と比較すると、pH5.0でクエン酸、酢酸、アジピン酸、フマール酸、コハク酸、リンゴ酸が、より強い応答を示した。これらの結果より、この酸味受容体遺伝子が単にpHのセンサーではなく、各種有機酸によってその応答が増強する機能を有していることを明らかとした。 また、同様にアフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いて、酸味受容体遺伝子の応答を抑制する物質として、セリンプロテアーゼのニューロプシンを同定した。トリプシンなどの他のプロテアーゼでは、この酸味受容体に対する修飾機能は認められなかった。ニューロプシン分子のプロセッシングを受ける前のプレ体では、この酸味受容体に対する機能修飾は全く認められず、プロセッシングを受けた後の活性型のニューロプシンがpH5.0で酸味受容体の応答を抑制した。この抑制機構はリバーシブルで投与したニューロプシンをバッファーで洗い流すとその抑制効果も消失した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakata K.: "Cloning of a bovine orphan transporter and its short splicing variant"FEBS Lett. 443. 267-270 (1999)
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[Publications] Mizuno N.: "Molecular cloning and characterization of rat trp homologues from brain"Mol Brain Res. 64. 41-51 (1999)
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[Publications] Nishimura M.: "Expression of norepinephrine and serotonin transporter mRNAs in the rat superior cervical ganglion"Mol Brain Res. 67. 82-86 (1999)
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[Publications] Ito Y.: "Comparison between the decrease of dopamine transporter and that of L-DOPA uptake for detection of early to advanced stage of Parkinson's disease in animal models"Synapse. 31. 178-185 (1999)
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[Publications] 島田昌一: "味覚受容体遺伝子"脳21. 2. 304-308 (1999)