1999 Fiscal Year Annual Research Report
脳にボンベシン様ペプチド受容体システムが存在する生理的意義の解明
Project/Area Number |
10480222
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
和田 圭司 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第4部, 部長 (70250222)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 受容体 / ボンベシン / 肥満 / 遺伝子欠損マウス / 行動異常 / 情動 / 味覚 |
Research Abstract |
ボンベシンは多彩な生理作用を持つ生理活性ペプチドであり、その作用を介達する受容体については哺乳類でGRP受容体、NMB受容体、BRS-3の3種が知られている。ボンベシンシステムは内外分泌、代謝の調節や行動の制御などに関係することが示唆されているが各受容体の脳機能における生理的役割をより詳細に個体レベルで検討するため遺伝子欠損マウスの作製を行なった。これまでにGRPおよびNMB受容体並びにBRS-3欠損マウスの作製を行い、GRP受容体欠損マウスが非攻撃性の社会相互作用の亢進及び活動期(夜間)の運動量の増加を示すこと、BRS-3欠損マウスが中枢性の肥満、高血圧、糖代謝障害を呈することを報告した。今年度はBRS-3欠損マウスの行動科学的解析を行ない、野生型に比してBRS-3欠損マウスが甘味をより嗜好し苦味をより嫌悪する傾向にあり、味覚学習も障害されていることを見い出した。また社会的刺激の剥奪がBRS-3欠損マウスの体重増をより促進すること、同じく野生型で認められる社会的刺激の剥奪による自発運動量の亢進がBRS-3欠損マウスでは認められないことを見出した。これらの結果はBRS-3欠損マウスでは情動反応性、社会的反応性が障害されていることを示唆する。 また、今年度は昨年度に引き続き未知であるBRS-3の内在性リガンドの分子生物学的同定を試みた。リガンドの発現差を推定したアプローチ(BRS-3欠損マウスと野生型マウス間のdifferential displayなど)により候補遺伝子を探索したが現在のところ候補となる遺伝子の同定にはいたっていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamada, K. et al.: "Hyperresponsiveness to palatable and aversive taste stimuli in genetically obese --"Physiol. Behav.. 66. 863-867 (1999)
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[Publications] Yamada, K. et al.: "Differential effects of social rearing upon body weight, food consumption --"Physiol. Behav.. (印刷中). (2000)
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[Publications] Hotta, K. et al.: "Mutation in bombesin receptor subtype-3 is not a major cause of obesity --"Horm. Metab. Res.. (印刷中). (2000)