1999 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚情報のシナプスおよび細胞レベルでの特徴抽出と処理機構の研究
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10480231
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
大森 治紀 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30126015)
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| Keywords | 蝸牛神経核 / 台形体内側核 / 特徴抽出 / 聴神経 / 聴覚伝導路 / シナプス / 位相応答特性 / シナプス前終末 |
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| Research Abstract |
本研究は聴神経からの音情報の特徴抽出にどのようなシナプス伝達特性が必要とされるかを、個々のシナプスの形態および機能そして構成神経細胞の膜興奮性を含めて、蝸牛神経核及び幾つかの聴覚伝導路神経核において明らかにすることを目的としている。本年度はラット蝸牛神経核の多数の構成細胞の中でも、形態に特徴があり、機能的には複合音の処理に関与すると考えられているオクトパス細胞を同定し、活動電位発射パターンおよびシナプス入力とその統合の機序を脳切片標本を用いて解析した。当初、細胞の特定に困難があったが赤外微分干渉観察装置の導入により特徴的な樹状突起パターンの特定が容易になり研究を進めることができた。オクトパス細胞と星状細胞さらにブッシー細胞間の膜興奮性とシナプス入力を比較した。さらにシナプス入力の統合機序の解明を目的として、樹状突起に刺入した電極から電流注入し、細胞体に同時に刺入した電極で応答サイズを検討することができるようになった。このことによって樹状突起の電気的性質が明らかになり細胞体におけるシナプス入力信号の統合の効率を明らかにできると考えている。更に、本年度はより上位の中継核である台形体内側核の生後発達過程に於けるシナプス伝達特性の獲得のメカニズムを明らかにした。このシナプスは生後発達に伴い位相応答特性を獲得する。この過程でシナプス前終末ではCaの電流量が増大し同時にCaイオンの除去機構が発達することを明らかにした。こうした2つのメカニズムが協調して発達することによってシナプスは大量の神経伝達物質を一度に放出できる能力を獲得しその結果位相応答特性が実現されることが明らかになった。
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[Publications] Chuhma X. & Ohmori H.: "Postnatal Development of phase-locked high-fidelity synaptic transmission in the medial nucleus of the trapezoid body of the rat"J. Neuroscience. 18・1. 512-520 (1998)
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[Publications] Funabiki K.,Koyano K.& Ohmori H.: "The role of GABA ergic inputs for coincidence detection in neuvones of nucleus lominaris of the chick"J. Physiology. 508・3. 851-869 (1998)
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[Publications] Ishii MT.,Takano M.,Xie LH.,Noma A. & Ohmori H.: "Moleculor characterization of the hyperpolarization-activated cation channel in rabbit heart sinoatrial node"J. Biol. Chem.. 274. 12835-12839 (1999)
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[Publications] Okada T.,King Y.& Ohmori H.: "Li^+ and muscarine cooporatively enhance flse cationic Tail current in rat cortical pyramidal cells"Eur. J. Neuroscionce. 11. 2397-2402 (1999)
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[Publications] 大森 治紀: "前庭末梢器官の形態と機能・有毛細胞"Equilibrium Research. 58・6. 582-591 (1999)
