2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480237
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (30142053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 豊志雄 浜松医科大学, 実験動物中央研究所・動物医学, 室長 (20106644)
六車 香里 浜松医科大学, 実験動物中央研究所・遺伝, 研究員 (50290979)
西川 哲 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50260584)
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Keywords | マウス / fsn^<Jic>遺伝子 / コンジェニック系統 / 戻し交配 / 遺伝的背景 / 同座性 / allelism |
Research Abstract |
この研究で対象とした致死性高脂血症の遺伝子intは,第17染色体にあり,ほぼ同じ位置に既知の遺伝子flaky skin(fsn)があった。表現型が類似していたため,int遺伝子とfsn遺伝子との同座性allelismを確認するためにfsnマウスをジャクソン研究所から購入した。int/+オスマウス(正常)とfsn/+メスマウス(正常)を交配し,生まれたF1世代の仔を観察した結果,正常個体と異常個体が分離した。このことから,int遺伝子とfsn遺伝子との同座性が確認され,国際命名規約に従ってint遺伝子をfsn^<Jic>と命名した。また,表現型としてfsn^<Jic>ホモ個体はfsnホモ個体よりも重篤な症状を示すことがわかっているが,F1世代で生まれたfsn/fsn^<Jic>個体はすべてfsnと同程度の症状を示したことから,fsnは,fsn^<Jic>に対して優性であることが示唆された。 本研究では,fsn^<Jic>遺伝子をINT系統からC57BL/6J系統へ移し,コンジェニック系統(B6.INT-fsn^<Jic>@Ham)を育成する計画を立てた。交配方法としてBackcross-intercrossを採用し,fsn^<Jic>/+オス個体を毎代C57BL/6Jメス個体(_+^<fsn>/_+^<fsn>)へ戻し交配した。戻し交配が進むにつれて,親の遺伝子型から期待されるfsn^<Jic>ホモ個体の出現率が低くなったことから,戻し交配を中断し,N5世代以降,近親交配を行っており,現在その2代目である。 INT系統におけるfsn^<Jic>ホモ個体は,生後14日齢頃に死亡することがわかっている。しかし,fsn^<Jic>遺伝子のマッピングを行っている過程で症状が軽度の個体が観察された。このことは,MSM系統の遺伝的背景がfsn^<Jic>遺伝子の表現型を変えることを示唆し,コンジェニック系統育成過程で観察された現象と一致する結果を得た。 病理組織学的検索では,fsn^<Jic>ホモ個体において皮膚の角質化および肝臓の脂肪変成が顕著であった。
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