2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10480242
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
米山 隆之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00220773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 郁夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40242268)
土居 寿 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30251549)
浜中 人士 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (10013955)
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Keywords | チタンニッケル合金 / 衝撃試験 / ホプキンソン圧力棒法 / 熱処理 / 相変態 |
Research Abstract |
本研究は、チタンニッケル合金の双晶型防振特性を応用することにより、インプラント界面における衝撃応力を緩和する可能性を評価するため、ホプキンソン圧力棒法圧縮試験による衝撃応力の伝播について検討することを目的としている。衝撃試験には、新規に行った設計に基づいてデザイン、作製した各種治具および周辺機器により構成される高ひずみ速度用ホプキンソン圧力棒法衝撃試験装置を使用した。試料はチタンニッケル合金およびCPチタン、ステンレス鋼の素材から精密加工、表面仕上げ処理を施し、チタンニッケル合金については500℃、30分間の熱処理を施した。その結果、チタンニッケル合金では、透過パルスの応力が小さくなっており、特に波形の前半において顕著であった。この傾向は、チタンとステンレス鋼では明瞭には認められなかった。入射パルスが各試料を通って透過パルスとして伝達された際の応力の減少量については、チタンニッケル合金とチタンでは、パルスの初期20〜30μsに大きなピークが認められた。ステンレス鋼でも同様なピークは認められたが、応力の減少量は他の2者に比較して有意に少なかった。その後、チタンでは応力の減少値が急激に低下するが、チタンニッケル合金では持続的であり、ゆるやかに減少した。以上の結果から、チタンニッケル合金の持続的で高い衝撃緩和性を応用することにより、インプラント周囲組織に伝達される高ひずみ速度の衝撃応力を緩和する可能性が示唆された。さらに、衝撃伝達特性を変化させる要因として重要であると考えられるチタンニッケル合金の相変態挙動に関しても、組成と熱処理条件の及ぼす影響について、示差走査熱量計による試験を行ってデータを集積し、詳細に検討を加えた。
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