2001 Fiscal Year Annual Research Report
小児用補助人工心臓のための超小型遠心ポンプの研究開発
Project/Area Number |
10480243
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
碓氷 章彦 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30283443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 鎮 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80214609)
高谷 節雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40154786)
大原 康壽 名古屋大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 左心室補助ポンプ / 溶血 / 水力学的性能 / monopivot bearing / プリーインペラー / magnetic coupling |
Research Abstract |
平成11年に試作した超小型遠心ポンプの水回り試験および新鮮羊血を用い溶血試験において以下の3点 1)駆動用装置マグネットとインペラーマグネットのカップリング距離 2)インペラー下面の支持構造 3)インペラー上面の羽根構造、に問題があることが判明した。これらの問題点を解決するために平成11年に試作した3点支持遠心ポンプを改良し、一点支持ポンプを作成し、水回り試験を施行した。一点支持ポンプと3点支持ポンプを比較すると、最大流量は一点支持ポンプが三点支持ポンプに比して高い値を示したが、同じ流量における揚程の差は微小なものであった。三点支持ポンプから一点支持ポンプに支持機構が変わっても、血液室ハウジング形状、インペラ形状は同一であるため、圧力-流量特性においては顕著な差は見られなかった。一点支持ポンプ効率はポンプ流量の増加にともない、効率も増加した。また、回転数が高いほど、高効率であった。また、2200rpm時において、最大効率14%が得られた。この値は、3点支持ポンプの効率と比較して二倍以上の値を示した。これは、三点支持から一点支持へとインペラの支持機構を変えることにより摩擦力が小さくなり、その結果抵抗が減少し、一点支持ポンプの方が入力電力を少なく押さえられるためだと考えられる。これらの実験結果から一点支持ポンプは動物実験において長期使用可能であると判断した。 平成13年度には羊・子牛等の中動物を用いた長期間の移植実験を計画していたが、ブタを用いた急性植え込み実験のみを施行した。全身麻酔下、左開胸にて心臓を露出し、左心室心尖部脱血、下行大動脈送血にて超小型遠心ポンプを装着した。低回転域に置いては良好な脱血が得られ遠心ポンプによる良好な左室機能補助効果が得られたが、高回転域では遠心ポンプの高吸引力による脱血のsackingが発生し、遠心ポンプ特性を考慮したドライブングシステムの開発の必要性が示唆された。 平成10年〜13年の研究期間に超小型遠心ポンプの設計・試作は遂行できたが、長期動物実験の遂行は今後の研究課題と考えている。
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Research Products
(1 results)