1998 Fiscal Year Annual Research Report
宿主におけるサイトカイン変動からの人工臓器・生体材料の治癒及び生体適合性評価
Project/Area Number |
10480248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
西田 博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50147427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
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Keywords | サイトカイン / 人工臓器 / 生体材料 / 治癒 / 生体適合性 / 宿主 / bFGF / 変動 |
Research Abstract |
近年、人工臓器および生体材料の開発、改善にはめざましいものがあり、宿主におけるより良い生体適合性および治癒を目指す傾向にある。生体は人工臓器置換等の侵襲を受けるとその種類に関わらず全身反応を示すが、植え込み後の宿主への、宿主からの、また相互の影響に関しての特異的な指標がないのが現状である。今回我々は、宿主におけるサイトカイン変動からの人工臓器・生体材料の治癒および生体適合性評価を目的に研究を開始した。まず、臨床においては侵襲を受ける前のコントロールとして開心術時の心嚢液を先天性心疾患の患者から心筋梗塞後の高齢者までにおいて採取し、インターロイキン-6(IL-6)、bFGF.VEGF等をELISA法にて測定し、評価した(冠疾患学会1998年にて報告)。この測定の結果、心嚢内の炎症反応についてはIL-6が指標として用いられることが明らかとなった。また動物実験では創傷治癒の観察の一部として内因性サイトカインを活性化することにより血管新生を促進するのを目的に、家兎を用いたRabbit Ear Chamberモデルでのコントロール実験を行った。この実験において血管新生が創傷治癒において静脈側から開始し、出血創からの赤血球の血管内への"slip-in"という現象、血管の分岐点での狭窄現象、白血球の団子状になっての移動、血管の閉塞による血流路の変化などを観察した。今まで、悪性腫瘍に対して動脈側から伸展してくるのと同様に血管新生が起こると思われていたが、基礎実験において、異なった事実が観察されており、さらに研究を続けることにより興味ある知見が得られるものと期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomizawa Y et al: "Evaluation of small caliber vascular prostheses implanted in small children; activated angiogenesis and accelerated calcification" ASAIO J. 44. M496-M500 (1998)
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[Publications] 冨澤康子: "細胞と組織移植によるバイオ人工血管" 人工臓器. 27. 708-714 (1998)