2000 Fiscal Year Annual Research Report
宿主におけるサイトカイン変動からの人工臓器・生体材料の治癒および生体適合性評価
Project/Area Number |
10480248
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
西田 博 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50147427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
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Keywords | 人工臓器 / 生体適合性 / サイトカイン / 生体材料 / 人工心肺 / インターロイキン / 治癒 / donor |
Research Abstract |
人工臓器がいかに良く機能しても、宿主との生体適合性がなければ、宿主にとっては好ましくない。長期植え込み型人工臓器では、生涯、再置換しなくとも済むほどの機能があり、一時的に用いる体外循環のような人工臓器では生体と同様の生体親和性を持つことが望ましい。この度、宿主におけるサイトカイン変動からの人工臓器・生体材料の治癒および生体適合性評価を行うことにした。まず対照となる生体の刺激に対する反応を観察したが、これは循環器外科領域の人工心臓弁、人工血管、補助循環、体外循環等の人工臓器を植える、あるいは使用するにあたって基本となると考えた。生体は人工臓器置換等の侵襲を受けるとその種類に関わらず全身反応を示し、植え込み後の宿主への、宿主からの、また相互の影響に関して反応する。10年前には生体適合性の評価に炎症反応、補体などが用いられていたが、この度はインターロイキンおよびサイトカインを用いた。また、最近、摘出人工臓器の評価の重要性が言われているが、生体内に10年以上植え込まれていた人工血管の劣化についても評価した。布製人工血管は高分子ポリマーで形成されているが、劣化には血液への接触、血圧、拍動、脂質、マクロファージ等が強く影響するとされている。体血圧がかからず、拍動も著明でない右心系は影響が少ないことが予想されたが、重量平均分子量の低下で示される劣化は明らかであった。生体適合性の指標は年々変化しており、生体適合性の要求度も増加している。各方面から『ヒトに優しい』人工臓器を目指したい。
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Research Products
(1 results)