過疎・中山間地域活性化に関する総合的研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10490005
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Fukushima University
• Principal Investigator: 松野 光伸 福島大学, 行政社会学部, 教授 (40135893)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 千葉 悦子 福島大学, 行政社会学部, 教授 (30217244) ; 高瀬 雅男 福島大学, 行政社会学部, 教授 (90109710) ; 鈴木 浩 福島大学, 行政社会学部, 教授 (20124589) ; 境野 健兒 福島大学, 行政社会学部, 教授 (50215604) ; 今野 順夫 福島大学, 行政社会学部, 教授 (60006591)
• Keywords: 過疎 / 中山間地域 / 地域活性化 / 人口定住 / 高齢化 / 集落 / 産業振興 / 住民参加

Research Abstract

本研究は、生産・生活の諸側面において相対的に不利な状況におかれている過疎地域・中山間地域の活性化について、その課題および施策を総合的・具体的に検討することを目的としていた。こうした検討の前提として、国土庁・自治省・農水省・厚生省などの中央省庁の施策、および過疎地域指定されている市町村や中山間地域をかかえる市町村、道府県の施策に関する文献・資料、過疎地域問題調査会などの調査研究機関の報告書を収集し、過疎・中山間地域の現状、活性化の課題、施策の動向を全体的に検討した。さらに、EU諸国の条件不利地域地域の政策(デカップリング、環境保全型農業など)との比較検討、および、他の過疎・中山間地域(岩手県・宮城県・長野県・三重県・京都府・高知県・沖縄県)についての調査・検討をおこなった。その結果、過疎・中山間地域では、人口の自然減、高齢化、集落の崩壊、農林地の荒廃などの問題状況が深刻化していること、活性化にとっては、農林業・農山村のもつ公益的機能の重要性などからして、農山村への人口定住、農林業の継続そのものを目的とする政策・施策が緊要となっていることが明らかとなった。
また、本研究では、福島県相馬郡飯舘村を具体的対象に、過去20数年間の諸施策(とくに企業誘致、「ミートバンク」事業と畜産振興、村の総合振興計画の策定、有機農業や環境保全の取り組み、「若妻の翼」事業などの社会教育・公民館活動など)について、その主要内容、位置づけ、展開過程を調査・検討した。その結果、飯舘村での活性化施策の成功の基礎には、地域計画策定、産業振興などにおける住民の主体的参加があること、とりわけ女性リーダーの育成と地区(集落)を単位とする計画づくりが、目的意識的に取り組まれていることがあることが明らかとなった。

Research Products

• [Publications] 境野,健兒: "低農薬栽培を軸にした多面的な地域づくり-宮城県角田市JAの実践-" 月刊 社会教育. 515号. 26-32 (1998)
• [Publications] 塩谷 弘康: "自然環境保護運動と法的戦略-「博士山ブナ林を守る会」の10年(1)-" 福島大学地域研究. 9巻3・4号. 85-92 (1998)
• [Publications] 塩谷 弘康: "自然環境保護運動と法的戦略-「博士山ブナ林を守る会」の10年(2)-" 福島大学地域研究. 10巻2号. 63-78 (1998)