1998 Fiscal Year Annual Research Report
非集計行動モデルの経済学的水環境評価への適用に関する研究
Project/Area Number |
10490021
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
萩原 清子 東京都立大学, 都市研究所, 教授 (00198649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 昇平 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (90278333)
萩原 良巳 京都大学, 防災研究所, 教授 (00268567)
|
Keywords | 非集計行動モデル / 経済学的水環境評価 / 利用価値 |
Research Abstract |
1. 環境の価値は大きく分けると、利用価値と非利用価値に分けられる。さらに、利用価値には、直接的利用価値、間接的利用価値、オプション価値、準オプション価値、がある。非利用価値には、存在価値と遺贈価値がある。本研究で対象とする水環境価値として、利用価値としては、利水、治水、レクリェーション、その他(従来通りの利用)、オプション価値が挙げられる。非利用価値としては、その水環境の存在価値と遺贈価値が挙げられる。本研究では、身近な都市域の水辺を対象とするため、主として利用価値の評価を行うこととした。 2. 本研究では、単に、環境の評価を行うだけでなく、水辺の計画に有用な情報を得ることも目的としている。したがって、政策実験の可能なモデルであることが重要であるとの考えにしたがって、非集計行動モデルに含まれる特性変数を選択した。そのため、水辺の特性を表す変数は30項目と多くなった。しかし、今後の水辺整備計画に有用な情報になるものと考えられる。 3. データの収集に関しては、アンケート調査により行った。質問項目としては、水辺の特性に対する認識、水辺への距離、個人属性などである。 4. アンケート調査によって得られたデータを用いて、まず非集計行動モデルとしてどのような構造、効用関数の式形にするかなどの検討を行った。その結果、説明力の高いモデルを構築することができ、その効用関数に基づいて水辺の環境評価値を得た。 5. 今年度用いたデータは実行動データであるが、今後はこの行動データをさらに検討するとともに、表明データを用いて、より再現力のあるモデルの構築を行うこととする。
|
-
[Publications] 萩 原 清 子: "都市域の水辺の環境評価" 応用地域学研究. 3. 133-141 (1998)
-
[Publications] 萩 原 良 巳: "都市における水辺環境創出のためのデータベースの作成に関する考察-水辺環境総合カルテの提案" 京都大学防災研究所水資源研究センター研究報告. 18. 59-77 (1998)
-
[Publications] 萩 原 良 巳: "都市における水辺環境創出のための住民参加型計画目標設定に関する研究" 京都大学防災研究所水資源研究センター研究報告. 18. 79-88 (1998)
-
[Publications] 萩 原 良 巳: "都市における水辺のグランドデザインの作成に関する研究" 京都大学防災研究所水資源研究センター研究報告. 18. 89-105 (1998)
-
[Publications] 萩 原 良 巳: "都市の水辺環境創出計画の人間科学的考察" 京都大学防災研究所水資源研究センター研究報告. 18. 107-127 (1998)
-
[Publications] 張 昇 平: "水辺環境整備計画における非集計行動モデルの適用方法" 京都大学防災研究所水資源研究センター研究報告. 18. 129-135 (1998)
-
[Publications] 萩原良巳: "都市環境と水辺計画" 勁草書房, 195 (1998)
-
[Publications] 鷲田豊明: "環境評価のフロンティア" 築地書館, 165 (1999)