2000 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質結合タンパクの構造と細胞膜局在調節機構
Project/Area Number |
10490023
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
八木澤 仁 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40192380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
鎌田 英明 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10233925)
平田 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40049052)
樋口 芳樹 京都大学, 大学院・理学系, 助教授 (90183574)
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Keywords | ホスホリパーゼC / PHドメイン / 核移行シグナル(NLS) / 核外移行シグナル(NES) / 緑色蛍光タンパク(GFP) / イノシトールリン脂質 / 細胞運動 |
Research Abstract |
1.デルタ型ホスホリパーゼC(PLC-δ)の核細胞質間移行の解析:昨年、PLC-δ1が細胞質と核内を移行すること、また、PLC-δ1には核外移行シグナル(NES)配列が存在し、核から細胞質への移行にはcrm1依存性の輸送が関わることを明らかにしたが、本年は細胞質から核内への移行機構の解析に関して一定の成果があった。すなわち、PLC-δ1の核内移行シグナル(NLS)は分子内の触媒ドメインをつなぎ止めるリンカー領域に存在する可能性が高いことが判明した。現在、その最小配列を同定すべく解析を行っている。 2.細胞運動や機械刺激応答における膜と細胞内骨格系のイノシトールリン脂質を介する相互作用の解析: (1)低浸透圧ショックによるMDCK細胞のPLC-δ1局在性変化における細胞骨格の影響:PLC-δ1は低浸透圧ショックにより核周辺に移行するが、このターゲティングにはC2ドメインは必要ではないことが、変異体を用いた解析により明らかになった。また、この応答はアクチン繊維や微小管など細胞内裏打ち構造を破壊するとその速度が亢進され、外部Ca^<2+>流入もこの応答を促進することが判明した。 (2)細胞運動における細胞内骨格系の再構成とイノシトールリン脂質:アメーバの運動がPLCの活性化に依存すること、アクチン繊維はPLC-δ1やそのPHドメインによって剪断され、膜から解離することを示した。 3.インスリン受容体基質(IRS)ファミリーのPHドメインの機能解析:5種類のIRSのPHドメインのリガンド結合の特異性と、GFP融合タンパクとして細胞内に導入した際の各PHドメインのインスリン刺激に対する細胞内局在性変化を比較した。IRS1,IRS3,Gab1のPHドメインはPIP3を標的とした膜への移行に重要であるが、IRS2,IRS4のそれらにはそのような機能はなく、各IRS-PHの働きの相違が明らかになった。
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[Publications] Oka,S.: "N-acetylcystein suppresses TNF-induced NF-Kappa-Bactivation by inhibition of I-Kappa-B-Kinases"FEBS Lett.. 472. 196-202 (2000)
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[Publications] Azuma,T.: "Induction of apoptosis of activated murine splenic Tcells by cycloprodigiosin hydrochloride, a novel immunosuppressant."Immunopharmacol.. 46. 29-37 (2000)
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[Publications] Fujii,M.: "Intracellular trafficking of phospholipase C-delta."Cell.Struc.Func.. 25. 384 (2000)