1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10490024
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
藤野 清次 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (40264965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児島 彰 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (80285428)
中村 泰明 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (10264946)
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Keywords | 白内障 / シミュレーション / ポリゴン / 可視化技術 |
Research Abstract |
白内障手術の代表的な方法である超音波乳化吸引法は大きく分けて、角膜切開、乳化吸引、人工眼内レンスの挿入の3つの過程からなる。H.10年度はそのうち,角膜切開、乳化吸引の過程を取り上げ、(1)眼球モデルの研究、(2)切開モデルの研究、(3)白濁した水晶体のモデル化、(4)乳化吸引操作のモデル化の4点について研究した。 (1) 眼球モデルの研究 初期のシステムでは、回転体により眼球を表現していたが、切開の操作を行うのは難しいデータ構造であった。新たにこれを改善するため、眼球モデルに正方形のタイルを盛り上げる方法で形状ポリゴンを作成する方法を考案した。ポリゴンのデータは4分木により管理する方法を採用した。また、角膜に中心からの距離に応じた透明度を数式を使って与え下の水晶体を見えるようにした。 (2) 切開モデルの研究 角膜と結膜の境界付近を切開する過程をシミュレーションする実際の手術では、最初に器具を挿入する入口を作るために角膜を切開する。角膜切開をCGで表現するとき問題となるのは、リアルタイムで切り口のポリゴンを生成することにある。本研究では、高速に切り口を作るため、切り口の正方形を再帰的に分割する方法を考案した。 (3) 水晶体のモデル化 水晶体をシミュレーションシステムで表示する際、ポリゴンよる表示を行っていては、描画に多くの時間がかかる。そこで,本研究では点描画で水晶体を表現する方法を提案した。描画する点の透明度を変化させることで、白内障の進行度合に応じた水晶体の白濁の様子が表現できた。また、点で描画することでリアルタイムのシミュレーションに必要な表示速度の向上が可能となった。 (4) 乳化吸引の過程のシミュレーションの研究開発 手術では角膜の切開の後、超音波ハンドピースという器具を挿入して乳化吸引操作を行う。ハンドピースは先端部が振動して超音波を発生する。その超音波により白濁した水晶体を乳化(破砕)する。開発しているシミュレーションシステムでは点の連結を解除することで、乳化(破砕)を表現した。連結した点の集まりは固まりとして扱え、破砕片としての扱いを可能にした。また、簡単な式で破砕片の移動量を決め、吸引力の強弱を表現できるようにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 仁井谷智恵,中村泰明,古川亮,児島彰,藤野清次: "白内障手術シミュレーション(その1)" 情報処理全国大会(第58回). 第4巻 印刷中. (1999)
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[Publications] 田中純,児島彰,藤野清次,古川亮,中村泰明: "白内障手術シミュレーション(その2)" 情報処理全国大会(第58回). 第4巻 印刷中. (1999)