1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10551002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
繁桝 算男 東京大学, 大学院・総合文科研究科, 教授 (90091701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 達也 北海道大学, 文学部, 助教授 (20214554)
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Keywords | 意思決定 / 数理モデル / 合理的評価 |
Research Abstract |
グループの意思決定の過程を記述する数理モデルを定式化し、それをモンテカルロ法によって検証した.具体的には、グループの決定を、各成員の選好の分布を所与として、各成員の効用としてどのような代表値が選ばれるか、また、その代表値をグループの代表値とする場合にどのような集約メカニズムが働くかを明確にする.たとえば、選好分布の代表値として、平均、メディアンのいずれか、また、グループの代表値として多数決原理、ベストメンバー方略などである.このような決め方のいずれが、いろいろな状況でロバストであるかをシミュレーション的に検証した.また、瞬間的な各時点における最適化ではなく、時系列的な決定における最適化について実験的研究を行った.その結果、被験者は時系列的に意思決定実験を繰り返すと、合理的規範解に近づくことが示された.今後は、この合理的解への近づきが、グループの意思決定とした場合に促進されるかどうかを検証したい.また、統計的仮説検定を各研究者が手許にあるデータによって、自分の仮説の信憑性を評価するプロセスとして考察する所論も発表した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 亀田達也: "協調行為をどうとらえるか-"相互作用"的視点と"相互依存構造"的視点"情報処理. 40. 557-563 (1999)
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[Publications] 竹澤正哲,亀田達也: "所有と分配:共同分配規範の社会的発生基盤に関する進化ゲーム分析"認知科学. 6. 191-205 (1999)
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[Publications] Tindale,R.S.,Kameda,T.: ""Social sharedness" as a unifying theme for information procesing in groups"Group Press and Intergroup Relations. (in press).
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[Publications] 繁桝算男(共著): "実践としての統計学"東京大学出版会. 239 (2000)
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[Publications] 亀田達也、村田光二: "複雑さに挑む社会心理学-適応エージェントとしての人間"有斐閣. (2000)