2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10551002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
繁桝 算男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90091701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 達也 北海道大学, 文学部, 助教授 (20214554)
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Keywords | 意思決定 / 数理モデル / 合理的評価 |
Research Abstract |
系列的にギャンブル課題を解く際に、被験者はだんだんと合理的な選択をすることを確かめた。ただし、その傾向には個人差があり、しかも、その個人差を説明する指標として、皮膚コンダクダンス反応(SCR)が有効であった.具体的には、Bechara et al.(1994)の考案したギャンブル課題について、リスクの大きい系列2つ、リスクの小さい系列2つの4種類の課題の選択傾向を、被験者の予期的なSCR反応と評価的なSCR反応による相関的説明を試みた.予期的反応との関連は見出されなかったが、評価的反応との関連が見られた.合理的意思決定と生理的指標との関連は、合理的意思決定を目指すグループ意思決定において、個人差を前提とした意思決定の方略の統合が望まれるゆえに、役に立つ知見であると考える. また、Wasonの4枚カード問題について、被験者の大半が命題論理的に正しい答ができない理由として、日常的な意思決定場面における情報量から説明を試みた.情報量による説明事態は、Oaksford and Chater(1994)が、既に提案していることであり、事前確率によっては、被験者の"間違い"が正当化される.しかし、もし、伝統的な4枚カード問題の設定が、母集団からの標本であると混同するとするならば、そのルールも現実世界の不確定性を反映して例外を含むルールであると混同するであろう.我々は、ルールが確率的に成立するものという条件を入れて、彼らの理論を拡張して、各カードの情報量を算出し、4枚カード問題における"間違い"を説明しようとした.結果の一部は情報量の大きさによって説明できたが、説明できない部分も残っている.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 繁桝算男: "心理学における理論と実証性"理論心理学研究. 第2巻第1号. 39-45 (2000)
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[Publications] Kazuo Shigemasu,Osamu Yoshimura and Tomoyasu Nakamura: "Bayesian Hierarchical Analysis of Polychotomous Item Responses,"Behaviormetrika. Vol.27,No.1. 51-65 (2000)
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[Publications] 繁桝算男: "計量的一般化とエスノメソドロジー"児童心理学の進歩. 299-304 (2000)
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[Publications] Tindale,R.S.,& Kameda,T.: ""Social sharedness" as a unifying theme for information processing in groups"Group Processes and Intergroup Relations. 3. 123-140 (2000)
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[Publications] 亀田達也: "協調行為をどう捉えるか-"相互作用"的視点と"相互依存構造"的視点"情報処理. 40. 557-563 (1999)
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[Publications] 中西大輔,亀田達也: "集団問題解決におけるステレオタイプの創発的影響"心理学研究.
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[Publications] 繁桝算男: "実践としての統計学 (佐伯,松原 編) 第4章 仮説の統計的評価とベイズ統計学"東大出版会. 239 (2000)
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[Publications] 亀田達也,村田光二: "複雑さに挑む社会心理学-適応エージェントとしての人間"有斐閣. (2000)