1999 Fiscal Year Annual Research Report
地域と学校とを結ぶメンタル・フレンド制度の開発及び実用化のための実践的研究
Project/Area Number |
10551006
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
伊藤 美奈子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20278310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楡木 満生 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (20172736)
無藤 隆 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (40111562)
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Keywords | メンタルフレンド / 効果測定 / 不登校 / スーパーヴィジョン / サポートシステム / 調査と実践 |
Research Abstract |
(1)メンタル・フレンド事業に関わる臨床実践 また臨床実践としては、訪問家庭教師タイプ(家に閉じこもっている不登校の児童生徒を訪問する)・保健室登校タイプ(学級に入れない児童生徒に対し、別室で対応する)について、大学院生ボランティアを派遣した。さらに、メンタル・フレンド自身の研修・サポートのためのカンファレンスやスーパーヴァイザーシステムを作るための調査研究を実施し、心理臨床的資質を高めるための養成システムやカリキュラムを開発する準備を行った。さらに学校現場においては、担任教師・養護教諭・スクールカウンセラーとの有機的な連携を図るため、学校内での新たな組織作り(制度の整備)に向けての準備中である。 (2)メンタル・フレンド制度の効果測定 メンタルフレンド事業が、どのような効果を持つのかについて、メンタルフレンドを対象に、担当児童の変化(性格特性・行動特性上での変化)に注目し、この事業の具体的な成果と課題について、全国のメンタルフレンド経験者132名を対象にアンケート調査を実施した。その結果、不登校のタイプ(「弱さ」と「幼さ」得点により4タイプに分類)の間で変化成長に違いが見出され、弱さを特徴とするタイプでは変化成長が大きいことが示唆された。また、メンタルフレンド自身の成長も子どもの変化成長の大きさと関連することが明らかになった。さらに、児童相談所職員によるスーパーヴィジョンの有無によっても差が見られ、メンタルフレンドをサポートするシステムの必要性が示唆された。
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