1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10554005
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
松原 英雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (30219464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 哲英 株式会社 ジェネシア, 技術課長
若木 守明 東海大学, 工学部・光学工学科, 教授 (20100993)
金田 英宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30301724)
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Keywords | 屈折率 / 光学材料 / 中間赤外線 / 低温物性 / 赤外線カメラ |
Research Abstract |
本研究の第一目的は、極低温(70K以下)で使用可能な、中間赤外(波長5〜30ミクロン)天体観測用カメラに用いる高性能レンズの開発である。ここで「高性能」の意味は、透過波長域ができるだけ広く且つ透過率も高く、色収差もできるだけ小さく、そして極低温でも性能の劣化しない信頼性の高いレンズのことである。本年度は昨年度に引き続き、1)中間赤外光学材料の極低温での屈折率の正確な測定、2)カメラ光学系の全体設計、3)試作レンズの設計、製作を行い、さらに4)カメラ筐体の設計・製作も行った。 1)については、屈折率を測定する試料(KRS-5)の正確な温度を測定し、できるだけ低温に下げる工夫を行った。この結果常温から50Kまでの温度変化に対する屈折率変化量を、波長10〜20ミクロンについて明らかにすることができた。この結果については、現在ISAS Reportに投稿する論文を準備中であり、平成12年度に発表する予定である。次に、この屈折率測定の結果を用いて、光学系の設計を見なおし、さらにカメラレンズの設計・製作を行った。 また4)については特に、レンズ材料(KRS-5、CsI)と筐体の材料(アルミ)との熱収縮率の差によって発生する応力によりレンズが変形・破壊するのを避けるようなレンズホルダーを考案した。光学系の概要、カメラ筐体についての詳しい内容を平成12年3月にドイツで行われた国際学会(SPIEシンポジウム"Astronomical Telescopes and Instrumentation 2000")で報告した。
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