1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10554010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
竹田 繁 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00044777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 光昭 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10156193)
松本 浩 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (90132688)
竹内 康紀 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (80179621)
吉岡 正和 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50107463)
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Keywords | 超精密アライメント / 大型装置の微小クリープ / 能動架台 / 地盤の常微動 / 地盤変動のコヒーレンス / 微小変位計測 |
Research Abstract |
次世代加速器の超精密アライメントに影響する要因の一つ「微弱地盤変動」は無視できない。例えばRF加速構造体は加速器の全長約30kmに渡り30μmの設置精度が要求される。長さ1.8mの加速構造体8,000台を30μmの精度での設置を実現するの我々の命題である。加速構造体を支える架台は3μmの確度での調整が必須である。調整架台の構造としては加速構造体毎に支持する個別支持構造と複数の加速構造体を一つの剛体と見做せるガーダーに予め要求精度以下で設置し、ガーダー間のアライメントを精度良く別途行うというガーダー支持方式の両面から研究した。いずれにしても、能動型の加速器要素サポートは必要となる。両者に共通な項目として、本体又はガーダーのクリープ特性である。建築構造体に関するクリープ特性は良く研究されているが、要求精度がその1/1000程度という我々のガーダーに関しては未開拓の分野である。又地盤のドリフト的変動に関する近年の研究成果を利用して、架台の設計を行い、マスプロ化するにはまだ未解決の問題として、既存研究成果の多くは長距離の地盤変動を短距離の計測と研究から推測している為に、見落とされている事柄の有無のチェックがある。今年度は、1.微小クリープ特性を計測する技術の開発と、2.見落とされた地盤変動の調査を行い、能動サポートを設計する為の基礎資料を得ることを研究目的にした。 1. に関しては長期間安定してナノメーターの精度で計測可能なシステムの構築を計画し、検出器の選定、システム設計を今年度行った。検出器は選定後、製作者と詳細な打ち合わせを行い、製作を依頼し、納品後現在まで検出器単体の特性検査を実施している。ナノメーターの計測を長期間行うためには、環境の影響を極力押さえるシステム設計が必須となる。来年度は今年度の設計に基づいてシステムの組み上げを行い、長期安定性の試験を行った後、長期クリープ特性の精密計測を開始する。2.に関しては我々を含め、従来行って来た計測方式の問題点の洗い出しを行うと伴に、計3箇所の断層もしくは岩盤の割れ目を跨った地域を選定しての、時空間における相関を計測した。現在詳細な解析を実施しているが、位置変動のコヒーレンスや周波数スペ外ラムに新しい事実が分かり始めた。その一つに、コヒーレンスの周波数特性に一種のバンド構造があることが分ったことが上げられる。これは能動サポートを設計する上で、重要な指針を与えることになる。来年度も引き続き詳細調査を行う必要性が出てきた,以上の事柄の詳細は今年行われるアライメントの国際会議(IWAA99)で報告する。
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