1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10554019
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安藤 雅孝 京都大学, 防犯研究所, 教授 (80027292)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西上 欽也 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00189276)
楠瀬 勤一郎 通産省, 地質調査所, 主任研究官
柳谷 俊 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00259128)
住友 則彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026788)
石井 紘 東京大学, 地震研究所, 教授 (30004386)
|
Keywords | 南アフリカ / 金鉱石 / 誘発地震 / 歪観測 / 極近傍観測 / 地震の一生 / 初期破壊過程 / S波スプリッティング |
Research Abstract |
地震発生の準備から、破壊そして終息に至る地震の一生を調べるには、震源の直ぐ側で高ダイナミックレンジの地震観測をはじめ、地殻変動、地球電磁気、地球化学など総合した観測が必要である。この目的のため、南アフリカの金鉱山の深さ2650mの坑道で、掘削点から数十メートルの距離に9カ所のボアホールに3成分加速時計、4カ所にボアホールに歪み計を設置した。地震データは132dbのダイナミックレンジで14khzでサンプリングし、高性能データ収録装置に収録した。このほかに自然電位差、比抵抗を測定するため4カ所に電極を設置した。これを利用して地震に伴う電磁放射の観測も行った掘削は10m/monthで行われ、震源距離が200m以下の誘発地震を約20、000個記録した。もっとも近い地震は10mの距離で起こり、加速度は10G以上を観測した。また、観測した最大マグニチュードは2であった。本年度は9月に地震計等を設置しているWestern Deep Levelにおいて、坑道内の調査、電極等の設置作業を実施した。さらに、11月には南アフリカ側の分担者Mendecki博士を招き、東濃地科学センターの見学と共に今後の打ち合わせを行った。さらに、2月には観測点を金鉱山の採掘が活発なWelcome鉱山に移動させた。これにより、より多くの地震を捉えることが可能となった。 本年度の解析結果は次の通りである。 1)地震モーメントとコーナー周波数との関係の相似則はマグニチュード2以下で-2.5まで成り立っていた。 2)マグニチュード2の地震の5日前から、歪みと地震の見かけ体積のゆらぎ等が震源距離200mで観測された、これは地震域の岩帯での剪断応力の減少を示唆するものと思われる。 3)p波に先行するフェイズが観測され、継続時間は地震モーメントに比例した。 4)震源距離が短いにも関わらず、S波のスプリッティングが観測された。 5)10mの地震距離では地震に伴う電磁放射は観測されなかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 住友 則彦: "国際共同研究;地震発生の半制御実験" 月刊地球. Vol.20・No.7. 391-394 (1998)
-
[Publications] 飯尾 能久: "地震の一生を捉える" 月刊地球. Vol.20・No.7. 395-397 (1998)
-
[Publications] 長 秋雄他: "南アフリカ金鉱山の掘削と地震" 月刊地球. Vol.20・No.7. 398-403 (1998)
-
[Publications] 安藤 雅孝他: "南アフリカ金鉱山における地震活動予測システムについて" 月刊地球. Vol.20・No.7. 404-407 (1998)
-
[Publications] A.J.Mendecki: "山はねの予知研究と南アフリカ金鉱山への適用" 月刊地球. Vo.20・No.7. 408-418 (1998)
-
[Publications] 石井 紘他: "南アフリカ金鉱山における歪観測と地震発生" 月刊地球. Vol.20・No.7. 419-422 (1998)