1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10554022
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
徳丸 宗利 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60273207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 謙一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (20303597)
小島 正宜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)
|
Keywords | アレーアンテナ / 太陽風 / プラズマ / 惑星間空間シンチレーション / トモグラフィー法 |
Research Abstract |
本年度の研究実施結果 太陽圏イメージング装置開発のための基礎実験および関連する以下の研究を行なった。 (1) 惑星間電波シンチレーション(IPS)観測によるコンパクト低速太陽風の起源の研究計算機トモグラフィー法(CAT)を用いたIPS観測による太陽風速度分布と光球面磁場との対応を、太陽コロナ中の磁場を仮定しで調べた。その結果、太陽風の流源面上でコンパクトな構造を持つ低速太陽風は、太陽表面の活動領域の境界から現れる開いた磁束管領域に一致することが分かった。よって、このような低速太陽風の起源は、閉じた磁場ループ上空のカスプではなく、開いた磁束の足元であると推測できる。CATと太陽コロナ中の磁場の計算には、本年度の科研費で購入したワークステーションを使用した。この解析の手法は太陽圏イメージング装置に応用される。 (2) 太陽圏イメージング装置の基礎実験 設計にあたり、耐ノイズ性、保守性、信頼度、価格を検討した結果、アンテナ形式には平面フェーズドアレーを採用することに決定した。この決定を踏まえ、詳細な仕様について、以下の基礎実験および検討を行なった。(1)素子アンテナについて、半波長ダイポールアレーとコリニアアレーを比較した。当初コリニアアレー(4m×8m)を作成して仕能評価を試みたが、機械的強度等の問題が判明したため、半波長ダイポールアレーを採用することに決定した。(2)それに伴い、半波長打ダイポールアレーのサンプルを作成し屋内実験を行った結果、十分な性能を有することが分かった。また、量産により価格の削減が可能であると判断した。(3)信号合成方式には、トーナメント方式と直列給電方式があるが、これらを組み合せる方式が最適であることが分かった。(4)信号伝達時に重要な同軸ケーブルの比較検討を行なった結果、MFH-8AC(昭和電線)が最適であると分かった。(5)アンテナに侵入する人工雑音を排除するため、アンテナの周囲にノイズ遮蔽フェンスを作ることを検討した。フェンスは遮蔽効率のシミュレーションを元に設計し、実測でこの遮蔽効果を確認した。(1)〜(5)から、価格対性能効率の良い太陽圏イメージング装置が設計できた。今後、計算機によるシミュレーションや、サンプル実験を行うことで、さらなる性能向上を試みる。
|
-
[Publications] Kojima,M: "Solar wind measured by interplanetary scintillation method" “Solar Wind Nine", AIP Conference Proceedings,in press.
-
[Publications] Yokobe, A.: "Comparison of Solar Wind Speed with coronagraph data analyzed by tomography" “Solar Wind Nine", AIP Conference Proceedings,in press.
-
[Publications] Tokumaru, M.: "Large-scale structure of solar wind turbulence near solar activity minimum" Advances in Space Research. (in press).
-
[Publications] Ananthakrishnan, S.: "Origin of travelling interplanetary disturbances" Advances in Space Research. (in press).
-
[Publications] Kojima, M.: "Low-speed solar wind associations with active regions near solar minimum" Advances in Space Research. (in press).
-
[Publications] Kojima, M.: "The highest solar wind velocity in a polar region estimated from IPS tomography analysis" Proceedings of SOHO 7 Workshop. (in press).
-
[Publications] Kojima, M.: "The highest solar wind velocity in a polar region estimated from IPS tomography analysis" Proceedings of SOHO 7 Workshop. (in press).