1998 Fiscal Year Annual Research Report
含水珪酸塩溶融体の高温高圧下におけるその場観察:マントルの融解過程における水の役割の解明
Project/Area Number |
10554024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 好幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 竜彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00303800)
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Keywords | 水 / 高温高圧 / マグマ / 赤外分光 / ダイアモンドアンピル / エンスタタイト |
Research Abstract |
(1) 外熱式ダイアモンドアンビル装置のセットアップダイアモンドアンビルの試料温度を制御する装置を直流電源安定化装置と温度計を用いて自作した。3種類の標準物質の融点の観察を行うことによって温度較正を行った。現在、1000℃まで安定に加熱できる。また、ダイアモンドアンビルの試料圧力の測定方法を次のように行った。厚さ125ミクロンのレニウム箔ガスケット中に水と気泡を封入し、温度を上昇させる。そして、これらの均質化温度を測定し系としての密度を求める。均質化温度以上での圧力は水の状態方程式で求める。この方法で1万気圧までの圧力を発生させた。この手法で2.5万気圧の圧力を発生させることが可能である。(2) エンスタタイト-水系の高温高圧状態でのその場観察マントルの主要構成鉱物の一つであるエンスタタイト(化学式MgSiO3)組成の無水ガラスをダイアモンドアンビルに水とともに封入し1000℃、1万気圧までの温度圧力範囲において、光学顕微鏡を用いてその場観察した。その結果、無水エンスタタイトガラスには微小な結晶が数多く晶出し、ガラス転移温度までアルファス状態を維持できないことがわかった。現在、ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いてよりガラス転移温度が低い含水ガラスを作成している。(3) フーリエ変換型顕微近赤外分光光度計のセットアップフーリエ変換型顕微近赤外分光光度計を購入・設置した。現在、OHおよびH2Oの吸収スペクトルの測定および全含水量の決定のため標準物質を用いて検量線を作成している。
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