1999 Fiscal Year Annual Research Report
含水珪酸塩溶融体の高温高圧下におけるその場観察:マントルの融解過程における水の役割の解明
Project/Area Number |
10554024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 好幸 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40171722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 竜彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00303800)
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Keywords | ダイアモンドアンビル / マグマ / 高温高圧 / 水 / 赤外 |
Research Abstract |
1 外熱式ダイアモンドアンビルセルの高温度高圧力条件での安定性を向上させるために、レニウム製のガスケットの穴開け方法を次に述べるように改良した。昨年度までは、穴の開けてあるレニウムガスケットを購入し試料室として使用していたが、実験中に試料室の変形が起こるため、ダイアモンドのアンビルでレニウム箔を圧し、その中央に放電加工機を用いて穴を開け試料室として用いた。この結果、高温条件でも試料室の変形が少なくなり、実験を容易に行うことが可能となった。また、断熱材のセラミクスをジルコニア製とし、強度が強くなった。 2 フーリエ変換型顕微赤外分光器のカセグレン鏡の焦点距離を25mmから30mmに拡大し、ダイアモンドアンビルセルでの実験を可能にした。これと、上の1の改良により研究の主目的に向けてやっと本実験を行う準備が整った。 3 エンスタタイト、ディオプサイド、高マグネシウム安山岩のガラスを用いて過冷却状態のメルトを得ようとしたが、300-600℃で結晶成長が起こってしまい失敗した。成果を容易に出すためには、結晶成長が起こらず過冷却メルトが得られる系、具体的には重合度の高いアルバイトやデイサイト、流紋岩マグマなどの系で実験を行うことが容易に考えられる。しかし、それらの系では既にドイツの複数の研究グループが実験を報告しているので、新しい結果を出すことは困難かもしれない。適切な実験の系を模索する作業が続けられる。
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