1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10554036
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤阪 健 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60089810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 孝次 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40303177)
濱田 喜隆 信越化学工業株式会社, シリコーン・電子材料技術研究所, 主任研究員
|
Keywords | 光ビスシリル化 / スーパーアトム / 金属内包フラーレン / ポリシラン |
Research Abstract |
本研究は、ポリシランの光キャリアの発生効率を向上させることを目的として、1)種々、ケイ素化フラーレンを合成し、それを用いたポリシラン等のケイ素系高分子へのドーピングを検討する。2)ドーパントとしてC60やC70に代表される空フラーレンより低いレドックス電位を有する、La@C82、La2@C80等の金属内包フラーレンをドーパントとして用い、ポリシランの光電変換機能の向上を図る。2)ポリシランの代わりに、新にケイ素化フラーレンのポリマー用い、新規フラーレン/ケイ素系高分子による光電変換機能の発現を試みる。 ケイ素系高分子材料は、光電変換機能を持ち、新規な電子・光材料となる大きな可能性を秘めているが、加工・物性評価の容易な溶媒可溶なポリシランが生まれて、いまだ十数年の歴史しかなく、炭素系高分子に比較してケイ素系高分子のバリエーションはまだまだ少なく、これから新しいアプローチによる開拓が大いに期待される材料群である。 金属原子がフラーレンの空洞内にトラップされ外界から隔離された金属内包フラーレンは、一つの巨大疑似原子-スーパーアトム-、即ち、金属元素とフラーレン分子からなる全く新しい複合元素としての性質を持つと予想される新奇な物質である。ランタニド金属原子がフラーレンの炭素ゲージの中に内包されたLa@C82は、La(3+)C82(3-)の電子構造をもち、その酸化還元電位は、空のフラーレンよりも低い。即ち、容易に電子の授受を起し得る物質である。この興味ある金属内包フラーレンをドーパントとして用い、ポリシランの光伝導を調べた。 昨年度までに開発した光ビスシリル化反応を用いて、ケイ素化フラーレンのポリマー合成を試みた。さらに、ポリシラン自信の光分解によるシリルラジカルを、フラーレンで捕捉する可能性を検討した。即ち、ポリシランの主鎖へのフラーレンの取り込みを検討した。
|
-
[Publications] T. Akasaka: "Photochemical Bissilylation of C60 with Disilane"J. Org. Chem.. 64. 566-569 (1999)
-
[Publications] T. Akasaka: "Novel Metal-free Bis-silylation"Org. Lett. 1. 1509-1512 (1999)
-
[Publications] M. Fajitsuka: "Photochemical and photophysical Properties of Bis-silylated C60 Derivatives"Phys. Chem. Chem. Phys.. 1. 3527-3531 (1999)