1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10555006
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
真下 正夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (30292139)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕史 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50236022)
宮永 崇史 弘前大学, 理工学部, 助教授 (70209922)
|
Keywords | ホウ素-炭素-窒素系薄膜 / 直接遷移型半導体 / 光・電子半導体デバイス / 単結晶薄膜 / 薄膜成長装置 |
Research Abstract |
BCN系薄膜は、従来気体原料を使って化学反応で薄膜を作製する気相成長法が主体であったが、物理的方法である反応性スパッタリング法やレーザーアブレーション法も研究されるようになった。本研究でも当初気相成長に関する情報収集を行い、実験装置の設計等、検討を重ねたが、BCN系薄膜成長には必須であるNの導入がむつかしいこと、原料ガスの安全上の問題、排気ガスの処理の問題など本学では対処困難な問題が判明したので、物理的方法のうちで自由度と信頼性の高い反応性マグネトロンスパッタリング装置を用いて研究を開始した。まず、スパッター装置の調整およびBCN系薄膜の基礎実験として、グラファイトターゲットを用いてArガス中でスパッターして炭素膜の作製実験を行い、それにN_2ガスを加えてスパッターし、CN膜の作製条件を検討した。次に、BNターゲットにArとN_2混合ガスを導入して基板のバイアス電圧やガス圧力を変えてスパッターし、BN膜の作製条件を検討した。膜の評価はいずれも光学顕微鏡による表面状態の観察や化学結合については赤外吸収、ラマン散乱等を用いて行った。その結果、スパッター炭素膜は比較的軟らかいsp^2結合性の強い膜であった。基板に負のバイアスを印加すると、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)といわれるsp^3結合性の強い膜が得られることが分かった。CN膜は通常ArとN_2混合ガスを用いてスパッターして得られるが、炭素膜と同様基板に負のバイアスを印加すると硬くなり、ガス圧力を増すとN/C比が増すことも分かった。BNターゲットにArとN_2混合ガスを導入してスパッターしたBN膜は六方晶系(h)-BNと立方晶系(c)-BNの混在した膜が得られた。
|