1999 Fiscal Year Annual Research Report
負の電子親和力を有効に利用した電池駆動可能なダイヤモンド冷陰極の作製とそのデバイス応用
Project/Area Number |
10555011
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
岡野 健 国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (20233356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 順司 工業技術院電子技術総合研究所, 電子デバイス部, 主任研究員
澤邊 厚仁 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (70187300)
小泉 聡 科学技術庁無機材質研究所, 先端機能センター, 研究員 (90215153)
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Keywords | ダイヤモンド / 窒素添加 / 電子放出 / 冷陰極 / 負性電子親和力 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で,尿素を不純物源として成長した窒素添加多結晶ダイヤモンド薄膜から非常に低い電圧/電界で電子が放出されることが確認されているものの,電子放出は薄膜のある特定の場所で起こり,所望の位置からのみ電子放出させることは困難であった. 本年度の補助金により導入した装置により,基板側にあらかじめ加工を施し,モールド法によるダイヤモンドフィールドエミッタアレーの作製を試みた.最初にシリコン(100)基板上に3000ρ程度の酸化膜を形成し,ここに通常のフォトリソグラフィー技術を用い一辺数十ミクロン,間隔数ミクロンの正方形をパターニングする.次にフッ酸により正方形部分の酸化膜を除去し,さらにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液によりシリコン基板を異方性エッチングし,逆ピラミッド状にエッチングされたシリコン基板を作製する.この基板上に現有の装置を用い気相成長法によりドーパントとして尿素((NH_2)_2CO)を用い,窒素添加ダイヤモンドを成長し,(フッ酸+硝酸)によりシリコン基板を除去すると,ダイヤモンド成長面ではなくシリコン基板との界面側にピラミッド状ダイヤモンドが形成されることが確認された.これにより、より実用的なダイヤモンド冷陰極の作製が可能となった. 一方,これまでに得られた多くの実験結果を基盤にし,窒素添加ダイヤモンドからの電子放出機構の解明を目指してきたが,その結果として窒素添加ダイヤモンドからの電子放出を説明しうるモデルの確立に向け現在補足実験を行い,その信憑性を確認している段階である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Lubbe,D.A.Evans,T.U.Kampen,K.Okano,D.R.T.Zahn: "Angular-resolved study of secondary-electron emission from NEA diamond surfaces"Diamond and Related Materials. 8. 1485-1489 (1999)
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[Publications] T.Yamada,A.Sawabe,S.Koizumi,J.Itho,K.Okano: "Formation of backcontacts on diamond electron emitter"applied surface science. 146. 245-250 (1999)
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[Publications] K.Okano,T.Yamada,A.Sawabe,S.Koizumi,R.Matsuda,C.Bandis,W.Chang,B.B.Pate: "Characterization of electron emission from N-doped diamond using simultaneous field emission and photoemission technique"applied surface science. 146. 274-279 (1999)